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ランボルギーニ ウラカンSTOの試乗──内燃機関の魅力を極限まで推し進めたようなクルマ|Lamborghini

  • 2021.12.1

「ウラカンSTO」レースカーであるウラカン・スーパートロフェオSVOと、同GT3 EVOにインスピレーションを得て開発され、「公道も走れるレースカー」と謳われるランボルギーニ ウラカンSTO。ようやく日本に上陸した同モデルに、富士スピードウェイで試乗した。

Lamborghini Huracan STO|ランボルギーニ ウラカンSTO

もし買えるなら”ぜひ”と勧めたい──ランボルギーニ ウラカンSTOの試乗

「ウラカンSTO」レースカーであるウラカン・スーパートロフェオSVOと、同GT3 EVOにインスピレーションを得て開発され、「公道も走れるレースカー」と謳われるランボルギーニ ウラカンSTO。ようやく日本に上陸した同モデルに、富士スピードウェイで試乗した。

Text by OGAWA Fumio|Photographs by MOCHIZUKI Hirohiko

V10エンジンの爆発的な魅力が堪能できる

ランボルギーニはがんばっている。ようやく日本に上陸した「公道も走れるレースカー」と言われる「ウラカンSTO」が好例だ。先日、富士スピードウェイでの試乗は感動的だった。

ハイブリッドでもなくターボでもない、パワフルな10気筒エンジンを搭載。しかもランボルギーニ車の例にもれず、エモーショナルであって、かつロジカルなデザインも魅力的。もし買えるなら”ぜひ”と読者の方に勧めたいモデルだ。

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ウラカンSTOは、レースカーであるウラカン・スーパートロフェオSVOと、同GT3 EVOにインスピレーションを得て製作されたモデルだ。ランボルギーニによると「公道仕様のスーパースポーツカー」というのだから、すごい。

エンジンは、470kWの最高出力と560Nmの最大トルクを発生する5204ccのV型10気筒だ。2014年にウラカンが発表されたとき以来(より厳密にはその前の先代にあたるガヤルド以来)おなじみのエンジンである。ただし、バブルをはじめ各部品は、高性能化に合わせてアップデートされている。

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実際、V10エンジンの爆発的な魅力が堪能できるモデルだ。試乗場所は、富士スピードウェイだったので、泉のように湧き出るエンジンパワーと、ていねいなセッティングのサスペンションと正確なステアリングとで、アルミニウムと炭素素材でできたウラカンSTOの走りを、たっぷりと楽しめた。

「コファンゴ」とランボルギーニが造語を作ったバンパー一体型のボンネット(コファノ=ボンネットとパラファンゴ=ボンネットフェンダーから命名)も、まるでレースカーだ。

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空気の流れを最大限活かすボディ各所のダクトや整流板、ルーフ背後に設けられたエアダクトと、コーナリング時の姿勢制御に寄与するシャークフィン型の空力デバイス、さらに大型リアウイングなど、凝りに凝っている。これらもすばらしく素直でクイックな走行性能に大いに寄与しるはず。

ランボルギーニのデザイナーは、機能主義的な装備の数かずを、実にうまく処理して、ウラカンにしかない個性を生み出すのに成功している。ランボルギーニ車を象徴するハニカム(六角形)のモチーフも散見される。

なにより、先に述べたとおりレースカーもかくやと思わせる空気の流れを視覚化。エアインテークやダクトなどを、車体色と区別したカラーリングで表現しているのも、実に見事だと思う。

降りてきたらみんな笑顔になるクルマ

降りてきたらみんな笑顔になるクルマ

運転席も、機能的にはサーキット走行に向いている設計だ。主要な操作類が分かりやすいところにそなわり、インフォテイメントなどレースで必要ない装備の操作系は、いってみれば二次的な位置に配置され、区別しやすい。

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小径のステアリングホイールは人工スエード巻なので、手にしっくりなじむ。ステアリングスポークに設けられたドライブモードで、スポーティ、ノーマル(これでも速い)、それにウェット(充分速い)を選ぶのも簡単。

ステアリングホイール背後に設けられた上下に長いパドルシフトを引いて7段ツインクラッチの変速機で1速を選んだのち、ブレーキペダルからアクセルペダルへと右足を移し替え、軽く踏み込んだだけで、ええッ?と声が出るほど力強い加速力で発進する。

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ブレーキの制動力もレースカーのように強力なので、コーナーのぎりぎり手前まで加速していけるのも、このクルマの感動的なポイントだ。6速、7速まで加速していき、この辺かなと思うところで、ぽんとブレーキを踏み、パドルでシフトダウンしていく。

眼の前に見えない壁があるように、ごく短時間で効果的に減速。トルクは最大値6500rpmとはいうものの、エンジン回転域の広い範囲にわたって実用十分な力を発揮するため、3000rpmあたりをキープしながら、コーナーを回っていくのも、スムーズの一言に尽きる。

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コーナーでの身のこなしは軽い。高速コーナーでの路面に張り付くような安定性といい、小さなコーナーでのすばやいステアリングホイールの操作に対応した車体のスムーズな動きといい、体験すると、“これはいいね!”と思わず破顔してしまう。

「降りてきたらみんな笑顔になるクルマですよ」。試乗会当日、ランボルギーニジャパンでヘッド・オブ・ジャパンを務めるダビデ・スレフレコラ氏が言っていたとおりだった。

現役のレーシングドライバーも試乗に参加していたので、感想を求めると「こんなに素直で許容量が大きなスポーツカーはそうそうないのでは」と、やはり笑顔で応えてくれた。スポーツカーってこういうところがいいなあと、あらためて感心した次第。

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ランボルギーニも、ハイブリッド化、そしてその先にはピュア電動化を推進しているという。噂ではV12エンジンのプラグインハイブリッドなんて超ド級モデルの計画もあるとか。それはそれで楽しみであるものの、内燃機関の魅力を極限まで推し進めたようなウラカンSTOは、自動車黄金時代を象徴するミュージアムピースのようなモデル、と呼びたくなった。

ランボルギーニ
https://www.lamborghini.com/jp-en

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