割り算が綺麗に割り切れないと、いつまでたっても計算が終わりませんよね。答えを出そうと割り算を続けると、小数点以下の数が延々と増え続けることになるでしょう。
例えば、電卓で1÷3を計算してみてください。
10桁表示の計算機だと、ディスプレイには0.333333333と表示されるはずです。
計算機には小数点以下9桁までしか3が表示されませんが、実際はずっと先の先まで3が繰り返し続いています。
割り算の結果が割り切れない場合は、必ずこの繰り返しが起こります。
ある位から同じ数の列が繰り返し現れる小数を「循環小数」と言います。
循環小数はいつまでも数字が続いてしまうので、扱うのが大変ですね。
実は、循環小数は分数の形に直すことができます!
分数の形に直してしまえば、数字の繰り返しは起こりません。見た目もすっきりし、扱いやすくなります。
では、早速やってみましょう。
「0.77...」を分数に直してください!(…は同じ数字が繰り返し続くことを意味します)
答え
0.77..は、どうやったら分数になるのでしょうか。
繰り返しの部分をどうやって消去するかがポイントです。
“ある工夫”をすると、ずっと続いていく7を消すことができるのですが…。
それでは、答えを発表します。
0.77…は7/9という分数に変形することができます!
解説
X=0.77...と置いてみましょう。
次に両辺を10倍します。
10X=7.77...と小数点の位置が1つ繰り上がりますね。
整理すると、下記のとおりです。
X=0.77...
10X=7.77...
ここで、小数点以下に着目してみましょう。
10XからXを引くと… なんと煩わしい7の繰り返しが綺麗に消えてしまうのです!
10X-X=7.77...-0.77...
9X=7
X=7/9
正解の7/9が導き出せました。
なお、最初にXを10倍したのは、Xには10(循環する数の桁数)を掛けると解きやすくなるためです。この問題では、7という1桁のみ循環していたので10¹をXに掛けました。
では、0.1818…ならどうでしょう。
18という2桁が循環しているのでXには10²で100を掛けます。
X=0.1818…と置く。
100X=18.18…
100X-X=18
99X=18
X=18/99
X=2/11(約分の形)
まとめ
循環小数を分数に直せば、扱いがぐっと簡単になります。
果てしなく見える小数が、分数の形にすっきり収まるのは不思議な感じがします。数学の世界では、このような不思議なことが度々起こります。ぜひ、いろいろな問題に挑戦して、数学の不思議を味わってみてください。
ライター:veyu
通信制大学にて高校数学教員免許を取得。数検2級にも合格している「数学が趣味の人」。現在は学習ボランティアを通して子どもたちに数学を教えています。算数や数学の問題に潜む「解ける快感」を一人でも多くの人に味わってほしいです。
編集:TRILLニュース