「因数分解」という言葉を覚えていますか?
名前の通り分解を行う作業ですが、何をどのように「分解」するのか忘れてしまった方もいるのではないでしょうか。
実は、因数分解の問題が簡単に解ける公式というものがあります。
そして、この公式さえ思い出せれば、案外楽に問題を解くことができるのです。
それでは、今回の問題です。
X²+6X+9 を因数分解してください!
答え
因数分解とは正式に言えば「1つの多項式を単項式や多項式の積(掛け算の結果)の形で表すこと」です。
ですが、ここではより簡単に式を掛け算の形に変形させることと捉えてみましょう。
問題は、「X²+6X+9を掛け算の式で表せ」と言い換えることができます。
では、正解を発表します。
X²+6X+9を因数分解した形は、
(X+3)²となります。
解説
「X²+6X+9が(X+3)²に変形できる」ことを思い出せたかどうかがポイントです。
この問題を解くには文字式の掛け算に使われる公式、「乗法公式」を使うのが早道です。
「乗法公式」には、以下のようなものがあります。
(X+a)²=X²+2ax+a²
この乗法公式を逆から見てみましょう。
X²+2ax+a²=(X+a)²
式を掛け算の形に変形する公式、と捉えることができると思います。
つまり、乗法公式を逆から見ると、因数分解の公式としても使えるのです。
今回の問題では、X²+6X+9 はX²+2×3×X+3²と考えることができます。
つまり、乗法公式のaを3に置き換えれば、正解にたどり着きます。
X²+2×3×X+3²
=(X+3)²
まとめ
乗法公式には、この問題で紹介した公式以外にもいくつかのパターンがあります。因数分解の問題が出たら、まずは乗法公式に当てはまるかどうか考えるところからスタートしてみてください。
ライター:veyu
通信制大学にて高校数学教員免許を取得。数検2級にも合格している「数学が趣味の人」。現在は学習ボランティアを通して子どもたちに数学を教えています。算数や数学の問題に潜む「解ける快感」を一人でも多くの人に味わってほしいです。
編集:TRILLニュース