2×3や10×200など、数字の掛け算は小学生の頃たくさん勉強したと思います。
しかし、中学生になると文字が混ざった掛け算が登場します。
掛け算は「乗法」という呼び方に変わり、算数から数学へステップアップすることになります。
さて、中学数学で「乗法公式」について習ったことを覚えているでしょうか。
乗法公式を使うと、一見複雑に見える文字の掛け算がとても簡単にできてしまいます。
計算のスピードアップには、この「乗法公式」が欠かせません。
それでは、今回の問題を発表します。
(X+1)(X-1)を展開してください。
答え
展開とは、正式には「多項式や単項式の積で表された式を単項式の和(もしくは差)の形にすること」です。ここでは「カッコつきの掛け算を計算して、足し算(もしくは引き算)の形に直すこと」と簡単に捉えて考えてみましょう。
この問題の答えは、乗法公式を覚えていれば一瞬で出ます。ただ乗法公式がどうしても思い出せない場合でも、地道に計算をしていけば正解できるはずですよ。
では、答えを発表します。
(X+1)(X-1)を展開すると、X²-1になります。
解説
乗法公式にはいくつか種類がありますが、今回使う乗法公式は以下のパターンです。
(X+a)(X-a)=X²-a²
左辺のaの前の記号が、+と-になっていることがポイントです。
(X+a)(X-a) 乗法公式
(X+1)(X-1) 問題
乗法公式のaを1に置き換えれば、今回の問題に適用できます。
(X+1)(X-1)
=X²-1²
=X²-1
乗法公式を覚えていれば、同じ形をした式の展開を瞬時にこなすことができます。
しかし、「この形でよかったのかな?」と記憶に自信がないときは、式を実際に展開して確かめることをお勧めします。
式の展開をするときは、「X+1」を「A」と置き換えると分かりやすいです。
(X+1)(X-1)
=A(X-1) ←X+1をAと置き換える
=A×X-A×1 ←分配法則
=(X+1)×X-(X+1)×1 ←AをX+1に戻す
=X²+X-X-1²
=X²-1
答えは、乗法公式を用いたときと同じになります。
まとめ
今回の問題はいかがでしたか?
式の置き換えを使って、地道に計算しても展開はできます。しかし、乗法公式を使った方がずっと早く答えが出ますね!
なお乗法公式は、因数分解をするときにも大活躍します。ぜひ他の乗法公式についても調べてみてくださいね。
ライター:veyu
通信制大学にて高校数学教員免許を取得。数検2級にも合格している「数学が趣味の人」。現在は学習ボランティアを通して子どもたちに数学を教えています。算数や数学の問題に潜む「解ける快感」を一人でも多くの人に味わってほしいです。
編集:TRILLニュース