この問題、解けますか?
数字は、その特徴によって特別な呼び方をされることがあります。例えば、2で割り切れる数を「偶数」と呼び、2で割り切れない数を「奇数」と呼ぶことは誰もが知っていることでしょう。
他にも、整数、小数、分数、自然数などの様々な数字の呼び方が存在します。
では、「素数」はどうでしょうか。どのような数を素数と呼ぶのか、覚えていますか?
今回は、素数に関する問題を解いてもらいましょう!
次の数の中で、素数であるものをすべて選んでください!
2
15
21
答え
答えは出ましたか?
素数とはなにものなのか、知っている人なら答えを出すことは簡単…というわけではありません。
実はこの問題、素数に対するイメージを持っている人なら、逆に迷ってしまうような仕掛けが含まれています。
では、答え合わせをしてみましょう。
2、15、21の中で素数は、2のみでした!
解説
素数とは、「自分自身と1以外に約数を持たない自然数」です。
なお、約数とはその数を割ることができる整数のことで、自然数とは正の整数のことです。
このような説明は、イマイチ直感的に分かりづらいので例を見て確認してみましょう。
例えば、10という数は、1, 2, 5, 10で割り切ることができます。
10は正の整数=自然数ではありますが、1と10(自分自身の数)以外にも2と5という約数を持っています。よって、10は素数ではありません。
では、11という数はどうでしょうか。11は自然数です。そして、1と11(自分自身の数)以外に約数を持っていません。つまり、11は素数です。
この特徴から考えると、2で割り切れる偶数のほとんどは素数ではなくなります。
4, 12, 24…これらの偶数は1と自分自身以外にも、必ず2という約数を持っているからです。
しかし、偶数の中でも例外的に素数になる数があります。
それが2です。
2は1と自分自身以外に約数を持たない自然数なので、素数の条件を満たしているのです。
問題の数字15は3,5を約数に持っていますし、21は3,7を約数に持っています。
2つは奇数ですが、素数ではありません。
よって、素数は2のみとなります。
素数は割り切れないというイメージを持っている人は、偶数である2をすぐ素数の候補から外してしまったかもしれませんね。しかし、2だけは特別なのです。
まとめ
いかがでしたか?
今回登場した素数は日常生活ではあまり使う場面がありません。しかし実はある分野では非常に有用な数字です。
その分野とは、暗号!
ネットで送信情報に鍵をかけるRSA暗号では、素数が大活躍しています。素数は何かと神秘的な数字なので、気になった人は素数についてもっと調べてみてくださいね。
ライター:veyu
通信制大学にて高校数学教員免許を取得。数検2級にも合格している「数学が趣味の人」。現在は学習ボランティアを通して子どもたちに数学を教えています。算数や数学の問題に潜む「解ける快感」を一人でも多くの人に味わってほしいです。
編集:TRILLニュース編集部