「ヴァレンティノ 銀座」のフィッティングルーム｜グレー・赤・真鍮ゴールドで表現する進化系ゴージャス

どこのブティックにも必ず備わっているもの、それはフィッティングルーム！ 意外と知らないこの部屋にはブランドの世界観がギュッと詰まっています。

ヴァレンティノ 銀座

グレー・赤・真鍮ゴールドで
表現する進化系ゴージャス

GINZA SIX内、銀座通りに面したファサードの上部を日本の「のれん」に見立てたというブティック。店内に足を踏み入れると、グレーベースに白石をちりばめたような、ヴェネチアンテラゾーのフロアが広がっている。クリエイティブ・ディレクターのピエールパオロ・ピッチョーリと、英国の巨匠建築家デイヴィッド・チッパーフィールドによって設計されたインテリアは、基本色のグレーとブランドカラーの赤、そして真鍮ゴールドを基調とした上質で落ち着いた空間だ。事前にアポイントをとってショップスタッフに案内してもらえる、4階のVIPフロアのフィッティングルームを覗いてみた。全面グレーの、どっしりと分厚いレザー張りの扉の向こうにピンクのカーペットが敷かれ、スリットライトが光る三面鏡が据えられている。ロングドレスの裾の微妙な長さ調整や、バックスタイルを確認するのに欠かせないもので、さすが老舗オートクチュールブランドの配慮がうかがえる。ハンガーフックや棚は、真鍮プレートを曲げただけのミニマルなデザインで、華美な装飾を排し、機能に徹した形がいっそう現代的な印象を与える。

GINZA2021年10月号掲載