今こそ身につけたい！ 働く女子の ストレススルースキル

イラスト：本田佳世

働き方や人との関わり方が急激に変化する中で、ストレスを感じることが増えていませんか。読者アンケートでも、全体の約88%が「日常に何らかのストレスを感じる」と回答しています。今、身につけたいのは、ストレスを華麗に受け流す“スルースキル”。ストレスに立ち向かったり、耐え忍んだりするのではなく、物事の視点やとらえ方を変えることで、サラリ、ふわりとかわすスキルのこと。働く女子が、軽やかにポジティブに生き抜くためのヒントをレクチャーします。

※アンケートは2021/9/22～9/28シティリビングWebで実施。有効回答数171

「〇〇しすぎ」がストレスになっていない？

教えてくれたのは

精神科医・産業医 井上智介先生

産業医として毎月30社以上を訪問。従業員を対象に、対話を重視した精神的なケアを実施。ポップな見た目の“ラフドクター”として、『おおざっぱに笑って健康に生きる』をテーマに、SNSなどでも発信。最新の著書に「この会社ムリと思いながら辞められないあなたへ」（WAVE出版）がある。

考えなくていいことは手放そう

「人は、自分の力ではどうしようもないことにぶつかった時に、ストレスを感じます」と井上さん。「それって本当に“どうにかしないといけないもの”ですか？ 私たちの最終的な目的は“幸せに生きること”。どうしようもないことに思い悩むのは、“完璧を求めすぎ”“自分の力に期待しすぎ”では？」と指摘も。「究極を言えば、住む家があって、ご飯を食べられるお給料をもらっているだけで、十分幸せではないでしょうか」。考えなくていいことは「思い切って手放して」とアドバイスします。

自分軸で行動すること

うまくスルー出来る人ってどんな人なのでしょう。「細かいことを気にせず、いい意味でおおざっぱ。オン・オフの切り替えが上手。そして、自分の限界を把握しているという特徴がある」と井上さん。スルー出来るようになるには、「自分軸」を持って行動することが大切とも。「自分のやったことと、相手の反応は別物です。“こんなにしているのに、ありがとうがない！”などと感じてしまうのは、相手に期待しすぎているからでは」と続けます。あくまでも「自分がやりたくてやったんだ」という、自分視点の意識を忘れないことが大切なんですね。

＼それ考えなくていいんです／ストレススルー

｟実践編｠

読者アンケートの回答などをもとに、具体的な場面でのスルーの方法を教えてもらいました。

point01苦手な人とは無理に仲良くならなくていい

苦手な上司や後輩は、誰にでもいます。いくら仲良くなろうと努力をしても、相手の気持ちまで変えることはできません。自分の力でどうしようもないことを悩むくらいなら、ビジネス上のコミュニケーションだと割り切って対応した方がスッキリ。

point02仕事にやりがいがない

やりたい仕事ばかりできる人は、そうはいません。見方を変えれば、自分で働いて、給料を得て生活しているだけでも、十分に立派。やりがいや目標は、あくまでもプラスアルファととらえて、一日一日をきちんと積み重ねることを大切にして。その先に、自分のやりたいことが見えてくるかも。

point03周りのことを気にしなくていい

「私のことを話しているかも？」「私にだけ教えられていないのでは？」と気にすることはありません。本当にあなたにとって必要な情報なら、いずれちゃんと届くもの。行動を起こすのは、それからでも間に合います。

point04キラキラした毎日を過ごさなくてもいい

「プライベートが充実していない」「趣味がない」なんて悩まなくても大丈夫。「大好きな音楽を聴く」「新しいコンビニスイーツを見つけて買ったらおいしかった」「疲れたので1日中寝たらスッキリ」…なんでもOK。自分の欲求に素直に従い、心が満たされる「瞬間」を積み重ねていくことが、日々の充実につながります。

スルーできないストレスは無視しないで

ストレスは誰でもあって当たり前。「スルーしなきゃ」と思うあまり、自分の内側の声を無視するのはNGです。井上さんは「日頃から、自分なりのストレス解消法をリストアップして“ストレス解消リスト”を持っておくのがおすすめ。“しんどいな”と思ったらリストから選んで実践するだけ」と。ぜひ、参考にしてみて。