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創業320年。目にも涼しい京うちわをインテリアや贈り物にいかが?

  • 2015.7.30
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暑い夏に欠かせないアイテム、うちわ。扇いで涼をとるだけでなく、見た目に涼を演出するインテリアのアイテムであり、またかつては贈り物の代表であったことを知っていますか。江戸・元禄年間に創業し、今では唯一となった京うちわの専門店「阿以波」(あいば)を訪ねました。

宮中で使われていた「御所うちわ」がルーツ

地下鉄四条駅から歩いておよそ10分程度。四条烏丸交差点から4筋東を走る柳馬場通を北へ歩きましょう。にぎやかな錦通から1筋目、蛸薬師通を越えたところに「阿以波」はあります。

創業は元禄2(1689)年、320余年の歴史を誇る「京うちわ」の老舗です。京うちわとは御所で使われていた「御所うちわ」にルーツをもつ京都で作られるうちわのこと。うちわ面に、漆や金箔などを用いて繊細かつ優美な柄が表現されているのが特徴のひとつです。

透かし模様が涼を演出。さりげなく飾りましょう

「阿以波」の透かしうちわはとても有名です。放射線状に細い骨を90本以上並べ、その上に季節の花や古典の柄などが切り絵で表現されます。

昔は床の間の掛け軸の脇に添えたり、客間のうちわ置きに入れておいたりしたそうですが、今では絵を飾る感覚で玄関などに飾る人も多いそう。

この透かしうちわは「飾る」ためのうちわとして、先代にあたる9代目当主が考案したもので、すべて手作業。デザインから一貫してお店の工房で作られています。

夏のおしゃれアイテムとしても使えます

夏祭りや花火大会など、浴衣で出かけることの多いこの季節。そんな時に、人とは少し違ったうちわを持つのも粋ですね。

「阿以波」の木版うちわは、大正期以前からお店に伝わる木版で一つひとつ手作業で刷った絵が使われています。素朴な絵柄ながら、洗練された色使いがなんとも言えず素敵。手に持つ柄の部分を扇面とは別に作るのも京うちわの特徴で、その手触りも秀逸です。

実は縁起物。大切な人への贈り物にも

うちわは涼をとるための実用品であるとともに、扇ぐことで邪気をはらうといういわれから、縁起物として贈答品に用いられてきました。一説にはお中元の原型ともいわれ、お世話になった方々への品物に添えて送られていたそう。どんな絵柄を送るかが贈り主のセンスの見せどころだったのかもしれませんね。

そんな京の町衆の心意気の表れでしょうか。「阿以波」では、商品を購入すると愛らしい千鳥の形をしたお香をしのばせてくれます。使うたびにふわっと甘い香りがして、贈り主の顔が思い浮かびます。

秋になれば秋草をあしらったもの、年の瀬には年迎えのためのおめでたい絵柄も登場します。四季折々に合わせたインテリアに、また大切な人への贈り物に、京うちわはいかがでしょうか。

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