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【女子のばんそうこう】「私ってぶさいく」と思う日に。〜自意識というやっかいな魔物

  • 2021.11.26
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帰りの電車の窓への映り込みで。蛍光灯で照らされたコンビニの鏡で。一日中引きこもっていた日の洗面所で。キラキラした他人のインスタを見た後、うっかりインカメラで。鏡の自分に無防備な状態で対峙してしまった時、心の中でこう叫ぶことはないだろうか?

「うっわ…すごいぶさいく」

「体型やばすぎ!」

「この部分なくなったらいいのに」

私にはある。まあまあ自分の姿に絶望する。

そこから「よしキレイになるぞ」「ダイエット!」となるならいいけど、「服で隠すしかねえ…」「私は人並み以下だ」「自分終わった…」などと世をはかなむレベルに凹むことの方が多い。

他人の目や指摘で気づくより、自主的に気づくことが圧倒的に多い自分の欠点。「他人の目」と思うのだって「他人は私を見てこう思ってるに違いない」という思い込みがほとんど。結局「自意識」ってやつがいちばんやっかいだよな。

自意識が乱高下するのをどうにかなだめたいと思う時、思い起こすようにしてることがある。「あるある」と共感されるもんではないと思うが、私が勝手にぶちあげた「デコシワの法則」という持論だ。

★人のことは気づかない

私はわりと若い頃から、目を見開くとおでこに三本横ジワが出るのが嫌だった。40を過ぎたら目を見開かなくてもそれらはデフォルト仕様で残り、立派なコンプレックスになった。「決してデコは出すまい」と思い前髪を作り続けてきたけど、髪が動いて隙間からシワが見え隠れするたび「うあー」と嘆いてる。

でも不思議なのだ。これだけ己のデコシワに悩んでも、ひとさまのデコシワには何も感じない。

洋画や海外ドラマを観ていると、日本人よりはるかに表情豊かな民だからか、喋るたびにデコに3本シワがガンガン出現する女優さんがわりといる。「あ、一緒だ」と思うのだが、「老けて見える」とか「無ければいいのに」とかは一切思わない。それどころか表情がコロコロ変わるたびに出てくるソレが彼女の魅力だな…とすら思ったりする。

「外国人の、しかも女優さんだからでしょ」と思うかもしれないが、日常見てきたあらゆる人のデコシワを気にしたことがないし記憶にも残ってない。先日、長年の友人が「私、おでこのシワ気にしててさ」と言うので「存在すら気づいてないけど!?」と驚いた。たぶん目にはしてるのだろう。でもそこに気を留めたりマイナスの感想を抱いたりしたことがないのだ。

「自分自身のコンプレックスはめちゃくちゃ気になるが、同じ他人のそれは全く気にならないものである」。それが私の「デコシワの法則」だ。

「自分のだけじゃなく他人の欠点もすごく気になるよ!」という人もいるだろう。でも友人に「私太っちゃってやばいんだよね」と言われた時、「ど こ が 」と思ったことはないだろうか。友人が異様に気にする部位を、お世辞ではなく「全然気にならないけど?」と言ったことはないだろうか。人生、そっちの瞬間の方が多くない?

★凝視すると終わらない

私もあなたも、自分の欠点(と思い込んでる部分)を長年執拗に凝視し続けてるのかもしれない。「凝視」はまあまあこわい。「問題点を認識し克服する」を超えて肥大化し、小さな欠点が実際よりも大きく膨らみ、隙あらば襲いかかる魔物になったりする。

先日たまたまSNSで顔や身体をアグレッシブに整形し報告する「整形アカウント」をいくつか見た。ご本人画像はいずれもものすごく整っていてお人形のような美しさだ。でも驚くことに誰ひとり今の美しさに満足してない。それどころか「あーぶさいく」「この部分が嫌だ早く直したい」と嘆いてた。他人の容姿に異様に厳しい人もいた。ここまで頑張って美しくなってもまだ「わーい私サイコー♪世界はバラ色♪」とはならないのか…と愕然とした。

フォトショで画像加工したりイラレでロゴを作ったりすると気づくが、細かい直しは突き詰めるときりがない。一箇所を整えると他とのズレが生じ、今度は別の箇所が気になる。整形の繰り返しはそれに似ているのかもしれない。

整形がよくないとは全く思わない。幸せになるための手段のひとつだ。ただ細部を凝視しすぎると永遠に満足しないどころかどんどん基準が厳しくなるのは、整形しようがしまいがおんなじじゃん!と思った。自意識って、客観的事実でねじ伏せることが難しいのだ。

デザイナーなら細部へのこだわりや追究は必要だが「わたしをデザインする」場合はあまりない方がいい気がする。私たちは絶え間なく動き、加齢も変化もする有機体だ。欠点を凝視するより全体をゆるゆる俯瞰し、ほどほどに許容したり自画自賛したりする作業もぜったい必要だと思う。

★それほんとに欠点?

向上心があることも、欠点やコンプレックスを克服することもいいことだ。でも他人の目を気にし過ぎたり(というか勝手にそれを生み出したり)、自意識にとらわれ過ぎたりすると危ない。特に若い頃の方が自分の外見に厳しく、他人と比べて自分の欠点を見つけ出す傾向が強い。悩める20代女子には「いやほんと自分の美に気づいてないね…」と言ってあげたい。

あなたの、わたしの、そのコンプレックス。本当はだーれも気づいてなかったり、ひそかに魅力にすら思ってる人がいるかもしれないよ。もう少し年を重ねたり環境やステージが変わったりしただけで、その欠点も「意外と悪くないのでは?」「むしろ武器なのでは?」と思える時が来たりもするよ。

というわけで私たち、鏡の自分にド凹みしてもしぶとく立ち直ろう。自分の変な部分や足りない部分を、自分で可愛がったり面白がったりする余裕。自意識はそっちの方に育てたい。鏡の自分を前にして「それひょっとしてチャームポイントじゃね?レアじゃね?よっ、唯一無二のオンナ!」と持ち上げるくらいの能天気自意識、ひとつ持とうね。

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