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面倒でサボりがち?「ガスコンロ」掃除、適切な頻度やコツは?専門家が解説

  • 2021.11.25
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ガスコンロを掃除するコツは?
ガスコンロを掃除するコツは?

料理中、「ガスコンロ」にたまった油汚れが気になることがあります。掃除をしなければと感じつつも、面倒でサボってしまう人も多いのではないでしょうか。ガスコンロやその周辺を掃除するのに適切な頻度やコツはあるのでしょうか。また、掃除をせずにガスコンロを使い続けた場合、どのような影響があるのでしょうか。ハウスクリーニングアドバイザーの有賀照枝さんに聞きました。

調理時の汚れはたまりやすい

Q.そもそも、ガスコンロやその周辺には、どのような汚れがたまりやすいのでしょうか。

有賀さん「やはり、調理時に出る汚れがたまりやすいです。例えば、炒め物や揚げ物をしたときに飛び散る油汚れや、鍋で食材を煮炊きするときに噴きこぼれた汚れ、調味料などの汚れがたまりがちで、それらが調理時のコンロの火や、それに伴う高温によって、焦げた汚れになります。

焦げた汚れは特に、五徳(鍋や、やかんなどを置く部分)やバーナーキャップ(バーナーに取り付ける円形の器具)など、バーナー周りでよく見られます。このほか、調理中にこぼれ落ちた食材がそのまま乾燥して、こびりついているケースもあります」

Q.では、ガスコンロやその周辺に汚れをためないためのコツや掃除の適切な頻度について教えてください。

有賀さん「調理の頻度や内容、使用状況にもよりますが、できれば、調理が終わるたびにトッププレート(天板)の拭き掃除をすると理想的です。毎回できなくても、夕食の調理後、つまり、一日の調理が終わったときに拭き掃除をしたいところです。揚げ物をした後のトッププレートやガスコンロ周り壁面の油汚れも、すぐに熱めのお湯で絞ったクロスで拭けば、わざわざ、洗剤を使わなくても思いのほかきれいになります。

ガスコンロの部品やガスコンロ周りの壁面は2週間に1回程度、掃除をすると清潔に保てます。汚れが付きやすい五徳やバーナーリング(バーナーの周囲を覆う円形のリング)、バーナーキャップ、グリルの受け皿など、取り外し可能な部品を洗うときは、食器洗い乾燥機を使ってもよいでしょう。熱めのお湯を使った方が油汚れもすっきり落としやすいので、わが家でも、食器洗い乾燥機が活躍しています。

ただし、部品によってはコーティングや塗装が剥げたり、変色したりすることもあるので、事前にガスコンロの取扱説明書をよく確認してください。ビルトインコンロ(システムキッチンの天板に埋め込まれるように設置されたガスコンロ)は2〜3カ月に1回程度、コンロのトッププレートとキッチンの天板が接している段差などの細かい場所やグリル庫内を、据え置きのテーブルタイプのガスコンロは1年に1回程度、大掃除のときでよいのでコンロ下を掃除すると理想的です。

年末の大掃除では、普段、忙しくて汚れをためてしまった部分のお掃除に時間を割きつつ、全体を掃除できると、新年を気持ちよく迎えられそうですね」

Q.ガスコンロやその周辺に頑固な汚れがたまっていた場合、どうすればよいのでしょうか。

有賀さん「頑固な汚れは、つけ置き洗いと洗剤湿布で汚れを緩めて落としましょう。汚れがたまってしまったときや年末の大掃除のときにもおすすめです。つけ置き洗いの場合は、取り外せる部品は全部外して、中性洗剤を入れた熱めのお湯につけ置きします。お湯の温度が下がると汚れが落ちにくくなるので、厚めのビニール袋で囲うなど、温度が落ちない工夫をしてください。

汚れが緩むとスルリと落とせますが、落とせない汚れが残っている場合は、つけ置く時間を長くしてください。グリル庫内など、取り外せない部分の汚れには、中性洗剤を付けたキッチンペーパーなどを当てて、汚れを緩めます。汚れを落とし終えたら、しっかりと水拭きして、よく乾かしましょう。油汚れに強い『セスキ炭酸ソーダ』を使ってみるのもおすすめです。

バーナーキャップが目詰まりを起こしている場合は、使い古した歯ブラシを使って、溝に入り込んだ汚れをかき出しましょう。歯ブラシでも落とせない場合は、真ちゅうブラシを使ってください。ガスコンロ周りの壁面を洗剤拭きする場合は、下から上に拭いていきます。そうすることで、洗剤が液だれした場合によく残ってしまう、涙のような跡が残りにくくなります」

Q.ガスコンロやその周辺の掃除をサボった場合の影響について、教えてください。例えば、汚れを放置したままガスコンロを使い続けると、どのような影響があるのでしょうか。

有賀さん「汚れを放置すると、時間の経過とともにこびり付くようになり、落ちにくくなってしまいます。そういう汚れが増えると、落とすのに時間と手間がかかるほか、掃除道具や洗剤を多くそろえる必要が出てきます。また、汚れがこびり付くことで素材が傷み、劣化しやすくなります。そうなると、部品の交換や修理が必要となる場合もあり、余計な費用がかかる可能性もあります。

蓄積された汚れでバーナーキャップが目詰まりを起こしている場合、炎がまばらになったり、偏ったりするなど、均一にならないこともありますし、通常の青いきれいな炎ではなく、赤色やオレンジ色の炎になって不完全燃焼を起こし、危険なケースも考えられます。このほか、ガスコンロは食べ物を扱う場所なので、汚れがたまりすぎると衛生面も見た目もよくありません。汚れには早めに対処するのがよいでしょう」

Q.ガスコンロやその周辺を掃除するときの注意点について、教えてください。

有賀さん「使う場所に合った掃除道具、洗剤を選ぶようにしましょう。使えない洗剤や道具はガスコンロの取扱説明書で事前に確認しておくと安心です。真ちゅうブラシやメラミンスポンジは汚れを研磨して落とす掃除道具なので、使う場所や素材によっては、製品を傷つけてしまう場合もあるので注意が必要です。

また、油性の汚れを落とすのに時々使われるシンナーやベンジンなどの有機溶剤は非常に引火性が高いので、ガスコンロ周りの掃除に不向きです。危険なので絶対に使わないでください。最近のガスコンロは繊細な部品や箇所があるので、注意しながら作業しましょう。

例えば、コンロの中心部にある温度センサーや点火プラグが変形したり、傷ついたりしないように片手を添えながら、固く絞ったぬれクロスで汚れを拭き取るようにします。ガスコンロのトッププレートがガラス製の場合も注意が必要です。ガスコンロ奥の壁面を掃除しようとして、うっかり、トッププレートに体重を掛けてしまい、破損するケースが多いです」

オトナンサー編集部

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