1. トップ
  2. 恋愛
  3. Twitchでクイーン狙ったスワッティングが横行、「継続的な脅迫、嫌がらせ、プライバシーの侵害」を告発

Twitchでクイーン狙ったスワッティングが横行、「継続的な脅迫、嫌がらせ、プライバシーの侵害」を告発

  • 2021.11.24
  • 3317 views

配信コミュニティサイトTwitchストリーマーのドラァグクイーンが、虚偽の通報によっ警察の特殊部隊を出動させる嫌がらせの「スワッティング」被害に。Twitchを利用しているドラァグクイーンは「継続的な脅迫、嫌がらせ、プライバシーの侵害」に苦しんでいると告白した。(フロントロウ編集部)

Twitchストリーマーのドラァグクイーンがスワッティング被害に

Twitchは、カジュアルな個人のゲーム配信から世界レベルのe-sportsだけでなく、アニメ、音楽、アートなどあらゆるジャンルのコンテンツを楽しめる配信コミュニティサイト。そんなTwitchで、ドラァグクイーンへの攻撃が深刻化している。

画像: Twitchストリーマーのドラァグクイーンがスワッティング被害に

現地時間11月9日、TwitchのストリーマーでドラァグクイーンのElixがいつものように配信していると、家の外から大音量のスピーカーで自分を呼ぶ声が聞こえ、驚いて外に出てみると、自宅の庭をラスベガス警視庁の警官隊が取り囲み、彼女に銃を向けていたという。

身柄を拘束された後に事情を聞くと、警察は「きょうだいの喉を切り裂いて地下室に隠し、自ら命を絶とうとしている人がいる」という通報を受けて出動したとのこと。しかしそれは全くの嘘で、いたずらの通報だった。

この行為は「スワッティング」といい、警察に偽の通報をし、警察の特殊部隊を攻撃対象の自宅に駆けつけるように仕向ける嫌がらせ。米NBCはElixが、スワッティングの被害者になったことを報じた。

約5万8千人のフォロワーを抱えるElixは、「ショックだった。うんざりしている。…怖くはなかった。頭の中では、『私のコミュニティが待っていてくれている』と思っていた」と、配信中に手錠をかけられたときのことを振り返った。

スワッティングは単なる嫌がらせではなく、2017年には死亡例もある。カンザス州ウィチタで発生したスワッティング事件では、28歳の男性が警官に射たれ、死亡した。虚偽の報告をしたタイラー・バリスは、懲役20年の判決を受けた。

Twitch、マイノリティへの嫌がらせが深刻化

今回スワッティング被害が明らかになったTwitchでは、近年、人種差別や反LGBTQ+、女性差別が大きな問題となっている。現地時間9月1日にはそれらの問題への注意喚起を促すため、一部のストリーマーを中心に「#ADayOffTwitch(1日Twitchボイコット)」が開催された

「#ADayOffTwitch」のきっかけとなったのは、米Washington Postによって報じられた「ヘイト・レイド(Hate Raids)」と呼ばれる“荒らし行為”の激化。近頃とくに問題視されるようになってきたこのヘイト・レイドは、Twitchにもともと備わっている「レイド(Raid)」という機能を悪用したもの。自分の配信終了後に視聴者を別のチャンネルに送り込むことができる本来の「レイド機能」を悪用し、攻撃対象者に大量のダミーアカウントやボット(※)を送り込んだ上で、コメント欄を悪意に満ちたコメントで埋め尽くし、嫌がらせをする。そして、ドラァグクイーンたちもそんなヘイト・レイドの被害者となっている。

※自分のライブストリーミングの視聴率やフォロワー数が高いように見せかけるボット。

「#ADayOffTwitch」の主催者の一人でもあったストリーマーのRavenは米ゲームニュースサイトKotakuで「このプラットフォーム上で、社会から疎外された人々が、肌の色や性自認、性的指向など、自分ではコントロールできない理由で攻撃されているのを目の当たりにすると、とても胸が痛む」と、マイノリティへの攻撃に感じるやるせない思いを吐露した。

Twitchは「#ADayOffTwitch」を受け、配信にコメントする際には使用可能な電話番号を入力しなければならないという対策システムを9月30日に導入し、現在は配信中のチャット欄にコメントする際には2段階認証が必要になったが、それでもマイノリティに対する差別的な荒らし行為は後を絶たない。

ドラァグクイーンのストリーマーが苦悩を告白

Twitchにて「Stream Queens(ストリーム・クイーンズ)」というグループで活動しているドラァグクイーンの一人で、メイク動画などを配信しているDeereは、「継続的な脅し、嫌がらせ、プライバシーの侵害」などの脅威に苦しんでいることを米NBCの取材で語った。9月の時点で、「Stream Queens」のメンバーのうちすでに6名がスワッティングの被害を受けているという。

Deereは、「憎しみに直面しながらも忍耐強く生きている素晴らしい人々を通して、私たち(の活動を)を止めさせようとする人がいても、純粋で正直であることを恥じようとさせる人がいても、強くあり、自分自身でいようと、人々を鼓舞することができればと思っています」と、いやがらせには屈しない強い意志を表明。

ほかにも、一部のドラァグクイーンストリーマーは、スワッティングによって個人情報が漏洩した後、Twitchを離れることを余儀なくされたという。9月にスワッティングの被害を受けたトランスジェンダーでドラァグクイーンのJupiter Velvetというストリーマーは、警察にも弁護士にも、スワッター(スワッティングをする人)に対しては何の対策もとれないと言われたことを嘆いている。

今回米NBCの取材に応じた多くのドラァグクイーンは、この攻撃がホモフォビア(※1)やトランスフォビア(※2)の現れであると感じていると述べている。彼らは、ここ数カ月の間に、Twitchで悪質な行為者や荒らしの標的になることが多くなったため、自分たちを守るための支援を求めていると語った。

※1 同性愛嫌悪。
※2 トランスジェンダー嫌悪。

Twitchの広報担当者は、米NBCに寄せた声明の中で、「ヘイトやハラスメントは容認できない」とし、「当社のコミュニティガイドラインで禁止されている」とコメント。また、ユーザーの安全を守るために、常に新しいポリシーやツールの開発に取り組んでいると付け加えた。

画像: ドラァグクイーンのストリーマーが苦悩を告白

そして、「私たちは常にコミュニティからのフィードバックを収集し、プロセスに反映させています。また、セーフティーセンターやクリエイターキャンプなどの教育リソースを拡充し、コミュニティのメンバーが安全を保つための重要な情報にアクセスできるようにしています。安全性を向上させるための取り組みに終わりはなく、年末までにさらに最新情報をお伝えする予定です」と明言した。

殺人事件が起きたこともあるスワッティング行為でトランスジェンダーやドラァグクイーンが脅威にさらされるなか、今後Twitchはどのような対策を講じていくのだろうか。(フロントロウ編集部)

トランスジェンダー追悼の日、ラバーン・コックスや米政府が憎悪犯罪に声をあげる - フロントロウ -海外セレブ&海外カルチャー情報を発信

元記事で読む