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発達障害児の防災対策、どうすればいい?

  • 2021.11.24

公立中学校に通う次女のアタはASD、いわゆる発達障害児。最初はその事実を受け入れられませんでしたが、そのうち、これって普通の子より個性が強すぎるだけなのかも、という心境に。こう言っては不謹慎ですが、障害児を育てるというのは、案外面白いのです。現在、夫は海外に単身赴任中。大学生の長女と私、そしてアタの3人のドタバタライフを書き綴ります。

第43回 非常時の備え。「突然」に弱いASDっ子は何をしておけばいい?

起こりうることを予測して、1つ1つ地道に体験を積み重ねる

最近、地震が多いですよね。

「今後30年以内に首都直下型地震が起きる確率70%」

地球規模で考えると100〜200年なんて秒。予測できるだけすごいんだよなぁと思いつつ、このロシアンルーレットみたいな状況、なんとかならんのかと恨めしいです。だって障害児が1人でいる時に震災に遭ったら? 想像しただけで怖い……。

アタも1人で行動することが増えたので、携帯とGPSは必ず持たせてますが、「もしも」を考えたらキリがありません。

避難所の場所や連絡手段は家族で確認してますが、あとは状況に合わせて臨機応変しかない。「とにかく自分の命優先」と約束はしています。でも、予定外の出来事に弱いASDっ子が、パニック時に的確な判断で動けるかというと。うーん、難しいでしょうね。

そんなアタのためにできる準備は、なるべく「突然」を「突然」にしないこと。起こりうることを予測して、1つ1つ地道に体験を積み重ねるしかないかなと思います。

自分の命は自分で護るんだという意識を日頃から少しずつ持たせたい

定型発達の子でも「訓練」という意味では同じですが、発達障害児の場合その子の特性に合った導き方でないと不安にさせるだけ。

同じ支援級の子のママは

「ウチの子非常時のこと話そうとすると『怖いから言わないで!』って嫌がるんだよね。だからあまり言えなくて」

とため息をつきます。

そうなんですよね。アタも緊張すると貧血気味になり、すぐ嘔吐。学校にも何度呼び出されたことか……。

でも、障害児だからって災害は避けてはくれません。守ってもらうのが当然じゃなくて、自分の命は自分で護るんだという意識を日頃から少しずつ持たせたい。厳しいようですが、それが何よりの備えだと思います。

発達障害児、特に知的障害を伴う場合は精神的に幼い子が多いので、年齢マイナス5歳くらいのイメージで対応する感じです。大人っぽい話し方をする子でも、ちゃんと理解しているか怪しい。見かけに騙されず繰り返し何度もリピート、リピート、リピート。

地震がなぜ起きるかとか、歴史とか、その子が興味を持ちそうなことから始めて、モヤっとした不安を取り除いてやるのも方法の1つだと思います。

たかがカップ麺。でもちゃんと1人で作れますか?

そんなわけで、大地震が起きた時。家族が帰って来られなくてもご飯食べられるかな? という話になりました。

我が家では非常食としてカップ無しのノンカップ麺を常備してます。これ、普段でも休日のお昼とかに便利なんですよ〜!

作り方は普通のカップ麺と同じく、お湯を注いで3分間待つ。それだけ。何度も見てるしそんなに難しくないと思ってたら、意外な結果が待ってました。

まず、お湯を沸かすのも電気ケトルにどれくらい水を入れるか分からずマゴマゴ。ノンカップなので、丼を探してウロウロ。スープの袋が開かなくてイライラ。タイマーをかけ忘れて半パニック。

やることの優先順位がつけられなくて、とにかく効率が悪いんです。たかがカップ麺、されどカップ麺。

備蓄があるのに食べられない、なんてことにならないよう、ちゃんと練習させておかなきゃと反省しました。電気が止まったら水で食べる場合もありますよね。

あと、非常時は洗い物ができないのでやっぱりカップ付きのカップ麺も準備しなきゃ、です。

ついつい手伝ってしまいがちなことも、非常時の訓練と思って見守る。実はこれ、親の忍耐力が試されているのかもしれません。

あ、そういえばアタ、缶詰って開けられたっけ? プルタブ式はともかく、缶切りって触ったことある? え、無い

次々と見つかる盲点に、大地震がまだまだ起きないことを祈るばかりです……。

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