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やさしいとき40 Vol.1:映画『かもめ食堂』

  • 2021.11.24
映画『かもめ食堂』

理由は知らない、聞かないでもここにいていいおいしいおにぎりとともに

映画『かもめ食堂』
©かもめ商会 photo 高橋ヨーコ

フィンランドの首都ヘルシンキ。サチエ(小林聡美)は小さな和食店〈かもめ食堂〉をオープンする。メインメニューはおにぎり。しかし、客は誰も来ない。極東からやってきた見知らぬ女性が作る見知らぬ食べ物に地元民は怪訝な顔をするばかり。

ある日、サチエは旅行客ミドリ(片桐はいり)、そしてマサコ(もたいまさこ)と知り合い、店を手伝ってもらうことに。何か事件が起こるでもなく、淡々と日々は流れる。

なぜ、彼女たちはここへやってきたのか、その理由は明かされないし、それをお互いに聞いたり探ったり、しゃべったりもしない。わかるのは、ここにいていいということ。おいしい食事があればいいということ。

文・辛島いづみ(ライター)

Information

『かもめ食堂』

美しい景色とアアルトなどの北欧家具、おいしそうなご飯は眼福。現在ロケ地では食堂〈Ravintola KAMOME〉が営業。映画内のシナモンロールも。2006年、荻上直子監督作品。バップ/4,309円(DVD)

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