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「男女の年収格差」日本は世界ワースト3位…他の先進国と比べなぜ差は埋まらないのか

  • 2021.11.20
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OECDが2021年の男女賃金格差ランキングを公表しました。全加盟国中日本はワースト3位という不名誉な結果です。

結果は男女の年収格差に直結しています。国もその点を重く見ているものの、今もなお男女の年収格差は埋まっていません。理由について探ってみました。

■日本の男女年収の格差は世界ワースト3位

加盟38ヵ国中男女間の賃金格差が大きいワースト3国は以下の通りです(OECD最新調査2020年)。

順位 国 男女間賃金格差(%) 加盟国平均との差(%) 1位 韓国 31.5 19 2位 イスラエル 22.7 10.2 3位 日本 22.5 10

※加盟国平均は12.5%

日本は韓国・イスラエルに続く3位ですが、G7ではダントツ1位となっています。

一方、2021年3月に公表されたジェンダーギャップ指数では、日本は160ヵ国中120位です。この指数では男女間賃金格差ワースト2国よりも低い順位であるため、今後男女賃金格差で世界ワーストになる可能性も高いでしょう。

■日本の男女年収格差が埋まらない理由

日本の男女の年収格差が埋まらない理由はなんでしょうか。

一つの理由として、女性の非正規労働者の比率が高いことが挙げられます。

日本では一度仕事を辞めた女性が再び正社員になるのは非常に難しく、多くの女性は非正規労働者になります。そうしたこともあり、日本の女性労働者のうち7割は非正規労働者です。

加えて、非正規雇用と正規雇用の賃金格差が大きいことも男女の年収格差を広げています。

根本的な要因として考えられるのが、終身雇用制度や長時間労働、性的役割分担意識です。それらは日本の女性が働き続ける上で大きな障害となっており、女性の男女間年収格差が埋まらない最大の原因となっていることは間違いないでしょう。

■コロナ禍による女性の実質失業率は男性の約2.4倍

コロナ禍は日本の男女年収格差をさらに広げているようです。その裏付けとなるのが、野村総合研究所が2021年2月に行った調査です。

この調査では、コロナ禍の影響でシフトが5割以上減少かつ休業手当を受け取っていないパート・アルバイトを「実質的失業者」としていますが、女性の実質的失業者は男性の約2.4倍です。

女性労働者の大半はパート・アルバイトなどの非正規雇用者ですから、コロナ禍によって男女の年収格差がさらに広がることは必至でしょう。

当然その結果はOECDの今後の調査結果にも反映されます。それによって近い将来日本が男女年収格差ワースト1になることが現実味を帯びてきました。

■政官財が一体になって女性の就業率や賃金を上げることは不可欠

このような状態から脱するために今日本ができることはなんでしょうか。

一番必要なことは、政官財が一体になって女性の就業率や賃金を上げるための具体的な対策を講じ、かつ国民にもそのことを絶えず啓蒙することでしょう。

また、個人レベルでは少しでも多くの人が選挙に行き、一票の力で政官財を動かすことが重要です。加えて、国民一人ひとりが持つ性的役割分担意識を変えることも必要となります。

それが継続的にできれば、少しずつでも男女の年収格差は埋まっていくのではないでしょうか。

文・大岩楓
元銀行員ライター。預金・為替業務に長く携わった経験をもとに、節約などの記事を多数執筆。現在はジャンルを広げて教育系の資格を生かした記事まで幅広く執筆。

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