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おかずが「好きな物だけ」弁当話題 健康への影響、プラスしたい食材は?

  • 2021.11.19
「好きな物だけ」弁当、なぜはやる?
「好きな物だけ」弁当、なぜはやる?

今年6月、大手コンビニ、ローソンの子会社「ローソンストア100」(東京都品川区)が、おかずがウインナー5本だけの「ウインナー弁当」を発売、「ひたすら好きなものだけを堪能したい」をコンセプトに、これまでに約50万食が売れ、大きな話題となりましたが、同じコンセプトで11月10日から、おかずがミートボール6個だけの「ミートボール弁当」が発売されています。

一般的に、弁当は主菜とご飯などの主食の他に複数のおかずが入っており、トータルで栄養のバランスを取るという考えがありますが、「ウインナー弁当」「ミートボール弁当」のような「好きな物だけ」の弁当は、そうした前提を覆すもののように思えます。なぜ、こうした弁当がはやるのでしょうか。管理栄養士の岸百合恵さんに聞きました。

健康志向に縛られたくない?

Q.そもそも、どのような食事が栄養バランスの取れた食事とされているのでしょうか。

岸さん「栄養バランスの取れた食事とは『主食』『主菜』『副菜』がそろっており、それぞれを一人一人に見合った量で、満遍なく摂取できるものです。エネルギー量が適切で、必要な栄養素が適量含まれていることが重要です」

Q.「ウインナー弁当」は大きな話題になりました。「好きな物だけ」のコンセプトは分かりますが、どのような背景から、栄養面で偏りがあると思われる弁当がはやると思われますか。

岸さん「健康志向が幅広い世代で定着し、コンビニでも糖質を控えたり、タンパク質を意識したりする弁当など、栄養バランスの取れた食事が当たり前に購入できるようになりました。一方、そうした弁当には、栄養バランスを重視するために、野菜などで食べたくないものが入っている、油物のおかずや量が少ないなど満足感が得られにくい、おかずの品数が増えて値段が高くついてしまうといったマイナス面もあります。

中には、健康志向に縛られずに『好きなものだけをとことん楽しみたい』という考えの人も多くいると思います。そのような人にとっては、逆に『ウインナー弁当』のようなシンプルな弁当の方が自分で好きな食材を追加することもできるので、かえって購入しやすいのではないでしょうか」

Q.1日の食事の中で、ひたすら、好きなものだけ食べる食事があっても大丈夫でしょうか。

岸さん「健康な人であれば、1日程度、栄養のバランスが崩れたとしても健康上、そこまで問題はありません。むしろ、好きなものだけを食べることによって、ストレスを発散でき、精神面でプラスになることもあります。しかし、食べ物によっては、胃腸に負担がかかって胃もたれしたり、体がむくんだりする可能性は十分にあり、好きなものだけを食べるにしても限度はあります。

また、疾患があったり、医師に食事制限を指示されていたりする場合は、必ず、事前に確認を取る必要がありますし、やはり、1日単位で栄養のバランスを取るのが理想的でしょう」

Q.もし、ひたすら好きなものだけ食べる食事を1回した場合、1日に必要な栄養を補うために、他の食事機会でどのように補えばよいのでしょうか。

岸さん「好きなものが何かにもよりますが、前後の食事を充実させたり、間食を利用したりして、栄養素の不足がなるべくないように、最低限でもよいので調整しましょう。その日に調整できなかった場合は次の日に整えたり、もしくは、バランスの悪い食事になることが分かっていれば、前日の食事のバランスや量の調整をしたりと、バランス感覚を身に付けることが大切です。

可能なら、好きなものでどのような栄養素が取れて、どのような栄養素が不足するのか、大まかにでも把握しておく必要があるでしょう」

Q.「ウインナー弁当」や「ミートボール弁当」を食べるとき、栄養面も考えるならば、追加でどのような食べ物を加えればよいですか。

岸さん「やはり、ビタミンやミネラル、食物繊維の不足を補うための野菜類や海藻類を補給したいところです。生野菜サラダやおひたし、野菜やひじきなどの煮物、自炊できるならば、具だくさんの汁物などから2種類くらいプラスできるとよいでしょう」

オトナンサー編集部

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