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季節を感じる"秋鮭の粕漬け"

  • 2021.11.18
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器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。

季節を感じる"秋鮭の粕漬け"

■Lesson2 シャープな角皿と秋の味覚

ふと食卓を見回してみると、丸が多いことに気づきます。煮物を入れた鉢も、お味噌汁の汁椀も、飯碗や取り皿、グラスも、そのほとんどは丸い形。そこにもし、ひとつ違う形の器を加えてみるとどうなるでしょうか。前回ご紹介したオーバルならば、しっくりとなじむでしょう。今回のテーマである角皿ならば、食卓の雰囲気がぐっと引き締まり、リズムが生まれるような気がしませんか。
見慣れたいつもの料理だって、角皿に盛るだけでちょっと新鮮に見違えます。どこかシャープな印象がある角皿には、きちんとした空気感を演出したり、料理を格上げしたりする効果があるようです。丁寧に手間をかけて普遍的な料理をつくり続けるオカズデザインにとっても、角皿の魅力はそこにあります。
「4本の直線の枠組みのなかに収めることで、秩序が生まれてなんだか気持ちが落ち着くんですね。日本人ならではの感覚かもしれません。簡素な料理をシンプルに盛るだけで、角皿はどこかモダンに、きりっと見せてくれるんです」

ひと口に角皿といっても、正方形や長方形、色や素材などによって、その表情はさまざま。
「以前、四角をテーマにした展覧会を企画したのですが、出展者である骨董商の方は探すのにひと苦労だったそう。というのも、昔のヨーロッパには角皿があまりなかったそうなんです。オーブンウェアや北欧の器などではよく見かけますが、確かに角皿は日本がいちばん多彩に揃っているのかもしれません」
今回はさまざまなタイプの角皿をご紹介。日本の料理だけでなく、お菓子や洋風の料理にもよく合う様子を、じっくりとご覧ください。

□角皿を朝食の銘々皿として

角皿のコーディネートが難しいというときは、銘々皿として使うのも手。この中里花子さん作の角皿は色違いですが、サイズが揃っていれば統一感があります。ただ、焼き魚に多い長角皿と違って、正方形は余白が気になることも。みょうがや谷中生姜の酢漬けなどを添えると収まりやすくなります。粕床はしばらく使えるので、ほかの魚介や季節の野菜、鶏肉を漬けるのもおすすめです。

□オカズデザインの“秋鮭の粕漬け”

◇材料 (つくりやすい分量)

鮭の切り身:2切れ
塩:小さじ1 1/2
★ :粕床
・ 酒粕:430g
・ 西京味噌:70g
・ 砂糖:大さじ2
・ みりん:大さじ3
・ 醤油:大さじ1


(1)塩をふる
鮭に塩をふり、冷蔵庫で30分ほどおく。

(2)粕床をつくる
ボウルに酒粕を入れ、ぬるま湯1カップ(材料外)を加えて手でなじませるように混ぜる(板粕の場合はぬるま湯少々を加え、泡立て器でつぶす)。

(3)すり混ぜる
2をすり鉢に移し、すりこ木でなめらかになるまで混ぜる。残りの材料を一つずつ加え、そのつどよくすり混ぜる。

(4)粕床をのせる
3の半量を清潔な保存容器に移す。11の水気をキッチンペーパーでしっかり拭き、ガーゼでくるんで粕床の上にのせる。鮭の上に残りの粕床をのせ、均一にのばす。

(5)漬ける
そのまま冷蔵庫で1~7日漬け込む。

(6)焼く
鮭を取り出してガーゼをはずし、網で両面焼く。焦げやすいので注意。

盛りつけ
盛りつけ

――教える人

「オカズデザイン」

2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。


文:藤井志織 写真:伊藤達也

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