ヴェルサイユへショートトリップ。宮殿だけではない、魅力たっぷりのヴェルサイユをご紹介【夢見るパリ】

 

今まで日帰りで何度も来ているヴェルサイユ宮殿。日本からの友達が来た時に案内したり、夏は噴水ショーや花火のショーだけを見に来たり。

 

今回は少しパリを離れてゆっくりしようということで、ヴェルサイユに２泊、ホテルの予約を取りました。

 

 

最初にヴェルサイユ宮殿近くにサン・ポール歴史地区という場所を発見しました。散歩しながら17世紀から18世紀にまでさかのぼる家々の建築を見たり、街の雰囲気を感じるのに理想的な地区です。

お散歩していると道沿いにパステルカラーの壁画を見つけて一目惚れ！

 

 

今まではイタリアで教会内の宗教的なフレスコ画や美しい幾何学模様のフレスコ画に見慣れていたので、こんな可愛い絵が描かれているのを見つけて衝撃的でした。

“Savetier（靴直し）” とか “Paulmerie（テニス屋）”、“Perruquier（かつら屋）”のお店と中世の男性などが描かれています。近くでよく見ると“毎日営業”とか“お城のかつら”の文字が小さく描かれていて、フランスのエスプリを感じます。

他にも壁にカリグラフィーと家の外観の騙し絵があったり、精巧に描かれているので旅行者は気づかないかもしれません。

 

 

ヴェルサイユには壁画の学校があるようで、街中で様々な壁画を見つけることができます。

 

 

さて、ヴェルサイユ宮殿は毎回のごとく入り口は長蛇の列。

世界一華麗なシャトーと言われるだけあって宮殿内は一部屋一部屋が贅の極みです。

 

 

今回楽しみにしていたのがヴェルサイユ宮殿に関わるデッサンのエキスポジションです。

18世紀のカリグラファー、Jean-Joseph Bernardが描いたルイ16世とマリー・アントワネットの肖像画が展示されていて、これを見たかったのです。

 

 

髪から服の装飾、額縁までもがクルクルとアラベスクで描かれています。

マリー・アントワネットは絵画で見るお顔とは少し違いました。

 

 

宮殿をまわった後にレストランでランチ。

最近ヴェルサイユ宮殿内には豪華なホテルとアラン デュカスのレストラン「Ore」ができたので早速予約して楽しみにしていました。

店内はシンプルモダンな内装。軽快なサービスでお食事もワインも気軽に楽しめます。

 

 

その後トリアノンと広大な庭をお散歩。

 

 

広い森の中は木々の紅葉が綺麗でした。

 

 

ちなみにヴェルサイユはアンティーク街もあるので、見てまわるのもおすすめです。

 

その界隈で偶然見つけたサロン・ド・テ 「State of Mind」 は中庭の静かな場所にひっそりとありました。

たくさんの香水と世界のお茶が置かれている面白いコンセプトのお店。ティーマスターによってアロマティゼされた茶葉12種類の中から飲みたいものを選びます。

素敵な音楽を聞きながら、ケーキと共に香りを楽しみながらお茶を飲んで。パリにはこんなにゆったり過ごせる場所はないかも。

 

 

パリと比べて静かでクラクションの音などありません。横断歩道があると車は止まってくれて、行っていいよと顔で合図。

出会った人が全員親切でゆとりがあって、慌ただしく過ごす日常から離れるのにぴったりの場所、ヴェルサイユでした。

 

 

text：竹内 仁海

パリ在住11年目。
イタリア人の夫とパリ4区にあるカリグラフィー専門店 “メロディ グラフィック”を経営する傍らカリグラファーとして活躍。結婚式やパーティ、パリコレの招待状や宛名書き、メッセージの代筆、ロゴ制作、フランス映画・コマーシャルの演出アイテムとしてカリグラフィーを担当。
パリから“暮らしの美学”をお届けします。

Instagram：@melodiesgraphiques