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『きんたろうようちえん』【今日の絵本だより 第252回】

  • 2021.11.16

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。 こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『きんたろうようちえん』【今日の絵本だより 第252回】の画像1

『きんたろうようちえん』 やぎたみこ/作 あかね書房 1540円

11月16日は、幼稚園記念日。 1876(明治9)年のこの日に、日本初の官立幼稚園である東京女子師範学校附属幼稚園(現在のお茶の水女子大学附属幼稚園)が東京・湯島に開園したことが由来です。 この日にちなんで、幼稚園を舞台にした今夏発売の絵本、『きんたろうようちえん』をご紹介します。

きんたろうようちえんがあるのは、山の上。 子どもたちは毎日、木製のロープウェイに乗って登園します。 山の上から人力でロープウェイを動かしているのは、園長のきんたろう先生。 とても大きくて力持ちで、動物の言葉も話せます。 給食係は、やまんば先生。 他はみんな、動物の先生です。

年少組は、くま先生。 みんなを軽々だっこしておさんぽ。 年中組は、おおかみ先生。 「ウオーー!」と迫力満点に追いかける先生から、みんなはいのししやしかに乗って逃げ回ります。 年長組は、さる先生。 さるのように木登りが上手なみんな、今日は木の上でお絵描きです。 新鮮な食材でつくられた、やまんば先生特製の給食をいただいたら、動物の先生たちも一緒に、みんなそろって木かげでお昼寝。 お昼寝明けの時間になったら、おや、岩の水飲み場が、何やらいつもと違う様子です。 きんたろう先生が岩の穴に耳を澄ますと、中から変な声が聞こえてきて……。

その後の驚きのできごとも、さらっと受け止めて楽しんでしまう、先生と園児のみんな。 終始気持ちのいい風が吹いているような、誰もがのびのびいい笑顔の、きんたろうようちえん。 山の空気がおいしくて、先生たちと思い切り遊べて、おいしい給食があって。 これは毎日通園が楽しみになること、間違いなしですね。 そうそう、みんなが帰りに乗るのはロープウェイでなく、別の乗り物なんですよ。 (贅沢!) ぜひ絵本を開いて、お確かめくださいね。

選書・文 原陽子さん はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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