借金が多い都道府県ランキング、3位愛知、2位大阪、1位は？

「借金が多い」というと貧乏というイメージがあるかもしれません。しかし借金が多いからといって必ずしも貧乏とは限りません。都道府県の場合はどうなのでしょうか。借金が多い都道府県のランキング上位3都道府県について見ていきます。

トップ3を紹介する前に地方債について説明します。

地方債とは、「都道府県を含む自治体が公共事業にかかる費用のために国や金融機関など外部から借り入れたお金」、つまり都道府県の借金です。地方債の現在高で各都道府県の借金が多いかどうかがわかります。

日本の都道府県で3番目に借金が多いのは愛知県でした。愛知県の人口は2021年9月1日現在で約752万人。日本で4番目に人口が多い都道府県です。

道路、河川、高校などの公共施設の建設には多額の予算が必要であり、このための借り入れとして債券の発行を行っています。

また現在工事が遅れているリニア中央新幹線建設費用も大きな負担になっているでしょう。それも愛知県の借金が多い理由と思われます。

ただ、県の財政力を計る「財政力指数」が全国で2番目に高い0.901であり、意外にも財政面では他県よりゆとりがあるようです。

2位は大阪府です。2021年10月1日現在の人口は約881万人。日本で3番目に人口の多い都道府県です。バブル崩壊後には景気回復のため地方債の発行量が急増しました。

また大阪府は2018年に地震や台風で大きな被害が出ており、その復興に多額の費用がかかっています。そのことも大阪府の借金が多い理由の一つになっているようです。

一方、大阪府の財政力指数は全国で4位（0.798）。愛知県と同じく他県よりも財政面でゆとりがあることがうかがえます。

全国で一番借金が多いのが北海道です。2021年8月末現在の人口は約520万人。こちらも人口の多い都道府県です。面積は全国1位であり、インフラ整備などの公共事業費が多額になることは容易に想像できます。

また、2018年の大地震で大きな被害を受けており、その復興費用も重い負担となっているようです。

財政力指数は全国の平均値（0.521）より低い0.458。こちらは財政力低下によって借金（地方債現在高）が多い可能性があります。

「借金が多い＝財政が苦しい」という図式は必ずしも当てはまらないようです。ただ、財政力が低い場合はその図式が当てはまる可能性が高くなります。

なお、コロナ禍が始まった2019年以降は各都道府県の借金（地方債現在高）にも大きな動きが出ているはずです。それによって順位が大きく変動する可能性も高いので、今後公表される国の統計データに注目したいところです。

※地方債の額・財政力指数は2018年のものです。

文・大岩楓
元銀行員ライター。預金・為替業務に長く携わった経験をもとに、節約などの記事を多数執筆。現在はジャンルを広げて教育系の資格を生かした記事まで幅広く執筆。