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達人が教えるクレジットカードの選び方・使い方

  • 2021.11.13
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世の中には多くのクレジットカードが存在する。どのカードを使おうか悩んでいる人も多いことだろう。そこで、クレジットカード保有枚数100枚以上の「クレカの達人」こと株式会社ポイ探代表の菊地崇仁氏に話を聞いた。クレジットカードの選び方、注意点や有効な使い方などを紹介していこう。(聞き手:菅野陽平)

(画像=菊地 崇仁)

菊地 崇仁
2006年からポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年3月代表取締役に就任。信頼性の高い情報提供のため、自ら100以上のクレジットカードを保有している。著書に『新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)』、『得するポイント(カード)の貯め方・使い方 (日本監督協会)』。
Twitter: @takahitokikuchi
公式HP: 菊地崇仁オフィシャルホームページ

■まずは「使いやすさ」、次に「貯めやすさ」

クレカの達人が教える「還元率よりも重要なこと」
(画像=MINIWIDE/stock.adobe.com)

――まずは自己紹介をお願いできますでしょうか。

ポイントプログラムのポータルサイト「ポイ探」を運営しています。

クレジットカード保有枚数で言うと100枚以上持っています。

年会費の総負担額は大体150万円くらいですね。

「100枚持っている」と言うと、「とりあえず持っているだけで使っていない枚数も多いのではないか」と思うかもしれませんが、全て月1回以上は使っています。

「持ったクレジットカードは月に1回以上絶対に使用する」と自分に課しています(笑)。

なお、「使う」の定義は「実際に決済する(消費する)」ですので、付帯サービスだけ使っているというわけではありません。

「どれをいくら使ったか」は全部管理しています。

1日に3枚以上は使わないと月100枚使用し切れないので、それなりに大変です(笑)。

持っているカードはクレジットカードだけではなく、電子マネーやポイントカードもありますので、カードが40枚入る財布を4〜5個持って外出しています。

なかには無理やり使っているときもありますが(笑)、実際に使っていない人に紹介されても説得力がないと思いますので、実体験を交えた発信をするように心がけています。

――クレジットカードの選び方のコツを教えてください。

ポイント重視であれば、1番重要なことは「有意義にポイントが使えるかどうか」です。

まずは「使いやすさ」を最も重視して、次に「貯めやすさ」を考えるという順番が良いですね。

極端な話、どんなに還元率が良くても、使い道のないポイントでは意味がありません。

メインとサブを分ける場合は、国際ブランドも分けるようにしましょう。

例えば、「メインがVISAだからサブはJCBにしよう」といった形ですね。

国際ブランドで言えば、上位カードになるとブランドによって特典が変わる場合があります。

その差は上位カードになればなるほど開いていきます。

例えば、「楽天プレミアムカード」では、楽天カード自体の特典は変わらないのですが、VISAとMastercardでブランド特典が異なっています。Visaの場合は「Visaゴールド空港宅配」「海外Wi-Fiレンタル」などの特典を利用でき、Mastercardの場合は「国内ゴルフ場 予約優待」や「国内高級ホテル・高級旅館」などの特典を利用できます。(編注=Visa、mastercard)

多くの人は気が付きませんが、意外と大事なポイントです。

――メインとサブに分けるときのコツだといかがでしょうか?

「メインは自分が1番ポイントを貯めたいカードにする、サブは電子マネーに強いカードにする」のが鉄則です。

私の場合は、既に申し込みが終了しているカードもあるのですが、メインは「ANA VISAカード」、サブは「ビックカメラSuicaカード」「リクルートカード」の2枚(メインを入れると3枚)を利用しています。

私は基本的にマイラーなので、マイルを貯めることができるカードをメインにしています。

「ビックカメラSuicaカード」は電子マネーに強く、チャージでJREポイントが1.5%貯まります。

■「自分に合っているか」を主軸に置いて探そう

クレカの達人が教える「還元率よりも重要なこと」
(画像=Tiko/stock.adobe.com)

――クレジットカードのなかには女性向けカードも存在します。それらのカードを選ぶときの注意点を教えてもらえますでしょうか。

女性向けと言っても、男性が加入できないわけではありません。

例えば「セゾンローズゴールド・アメリカン・エキスプレス®・カード」はカードの色もピンクで、特典もスターバックスギフトやヨガレッスン無料など女性を意識したカードになっていますが、私も保有しています。

月会費980円とクレジットカードにしては珍しいサブスクリプションタイプで、やめたいときに自由にやめることができます。

他にも女性向けカードと言うと、「楽天PINKカード」や「JCB LINDA」などがありますよね。

ただ、女性向けカードだから女性は必ず得するかと言えば、そういうわけではありません。「女性だから女性向けで探す」よりも「自分に合っているか」を主軸に置いて探したほうが良いでしょう。

結局のところ、「外見(ステータス)を重視するか、機能性(経済的合理性)を重視するか」の問題に行き着きます。

前者で言えば「男性と一緒にいるときにブラックカードを連想する黒系のカードやプラチナカードは出しにくい」という女性の声は時々聞きます。男性がビビってしまうとのことです(笑)。

余談ですが、カード会社の人に聞くところによると、男性は黒いカードを求める傾向があります。

世の中には無料の黒いカードもあり、黒ければ必ずしもブラックカードであるわけではありませんが、黒系が人気とのことです。

――日々の買い物が主な利用目的である人におすすめのカードはありますか?

買い物が中心であるのなら、還元率が重要な要素でしょう。

還元率重視であれば、還元率1.2%で年会費無料の「リクルートカード」が良いのではないでしょうか。

貯まるポイントはリクルートポイントですが、交換レート1:1でPontaポイントやdポイントに交換することができます。

旅行や美容が好きな人は、じゃらんやHOT PEPPER Beautyといったリクルート系のサービスを利用することで、よりお得にポイントを貯めることができます。(編注:リクルートカード、Ponta Web)

――私(インタビュアー)は「楽天カード」をメインで使っているのですが、こちらは還元率1%ですので、時間が経てば経つほど0.2%の差が大きくなっていきそうですね。

そうですね。

一般的に、リクルートポイントより楽天ポイントのほうが利用しやすいので、リクルートポイントをPontaポイントやdポイントに交換する手間分が0.2%の差と捉えると良いかもしれません。

「ポイントの管理が面倒」という人は一定数存在します。

そんな人は、ポイントが貯まるカードではなく、利用金額が1%オフ(1%キャッシュバック)になるタイプのカードを持つと良いでしょう。

例えば、「P-oneカード<Standard>」や「Likeme by saison card」などが挙げられます。

「Likeme by saison card」は見た目のお洒落さでZ世代向き、女性向きと言えます。これらはポイントの管理や失効を気にしなくて良いのが特徴です。

――「Likeme by saison card」は縦型なのですね!?

最近は縦型のクレジットカードが多くなっています。

「エポスカード」も縦型にリニューアルしました。

クレジットカード会社に「なぜ縦型にするのですか?」と聞いてみたのですが、最近は縦に差し込むクレジットカード端末が多いため、カード自体も縦型のほうがユーザビリティが高いとのことでした。

また、Likeme by saison cardはカード番号や名前などの情報が裏面にあるので、カード情報の漏洩リスクが低いこともメリットです。

最近はスマートフォンのカメラ機能が良いため、知らぬ間に後ろから撮影されて、カード情報が漏洩してしまうリスクも想定されますので。

■「お金の管理が苦手」であれば、できれば1枚持ちにしたい

クレカの達人が教える「還元率よりも重要なこと」
(画像=kegfire/stock.adobe.com)

――不正利用された経験はありますか?

何度もありますよ。

今年(2021年)だけで2回やられています。

クレジットカードの不正利用は全体的に増えているようです。

ちなみに不正利用されたカードのうちいくつかは、現物を紛失したわけではなく、インターネットにカード番号を入れたこともないカードでした。

普段そこまで街で使うわけでもないので、盗撮されたとも考えにくいです。

おそらくですが、クレジットカード番号の規則性を利用して、他人のカード番号を割り出す「クレジットマスター」という手口でやられたのだと思います。

古典的ですが、カード番号をランダムに入力すれば、いつかは正しい番号に辿り着いてしまいます。

適当に電話番号をプッシュしたら、誰かの電話に繋がってしまうようなイメージです。

クレジットカードの有効期限は基本的に5年なので、60回ほど試せばクリアできます。セキュリティコードは最大4桁なので、こちらも一定のパターンを全て試せば正解に辿り着きます。

つまり、クレジットカードを持っていたら、どんなに厳重に管理していても、必ず不正利用に遭う可能性はあるということです。

やっかいなのは、最近の不正利用は少額であることが多いことです。

高額だとすぐに気付かれてしまいますから。

そのため、セキュリティ観点からカードを選んでも良いでしょう。

三井住友カードは使った瞬間にLINEやアプリへ通知を送る機能を有しています。(編注:三井住友カード)

「楽天カード」「エポスカード」「au Payカード」あたりも設定によってはメール通知ができます。

――「お金の管理が苦手」という人に向けて、クレジットカードの有効な使い方を教えてください。

できるだけ保有枚数は減らしたほうが良いですね。

お金の管理が苦手であれば、できれば1枚にしたいところです。

カード明細を郵送で受け取っている人は、これを機会にオンライン明細に切り替えてみてください。

ほとんどの場合、郵送で受け取ると90〜100円くらいがかかっているはずです。仮に90円とすると、90円分のポイントは還元率1%で9,000円の買い物をしないと回収できません。こう考えると結構な額ですよね。

オンライン明細であれば比較的すぐに反映されるので、不正利用にも気が付きやすいです。

多くの人は、1ヵ月前の明細を見ても、何に使ったのかすぐに思い出せません。

カスタマーセンターに電話せずに、アプリ内で一時利用停止ができるカードもありますので、そのようなカードを検討するのも良いでしょう。

文・fuelle編集部

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