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石みたいに硬くなっても捨てないで!ドイツ流、残ったパンの活用方法【日登美のタベコト in Berlin・10】

  • 2021.11.13

ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主催している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイ、第10回です。

もったいない、パンは捨てないドイツの食卓

ご飯粒が手についたら残さず食べる。無駄なくもったいないの精神!

日本ではお茶碗にご飯粒を残して食べるのは行儀が悪いし、もったいないし、タブーですね。残ったご飯はチャーハンに、おじやに、なんなら潰して乾燥させて揚げたら煎餅にすることもできます。お米を捨てるのには抵抗がありますよね。パンもそうなんです。ドイツでは同じ様にパンは硬くなっても捨ててはいけません。ではどんなふうに活用するんだ?ということで今日はお気に入りの残りパンの活用法をご紹介したいと思います。なんて言って、義父の受け売りなんですけど(笑)。

義父は残ったパンはカチコチになってもう石?みたいになっても捨てません。それを紙袋に集めておいてミルクに浸します。これは豆乳でも代用できます。そして柔らかくなったパンをぐちゃぐちゃと手で潰してそこにひき肉、卵、ハーブ、玉ねぎ、ニンニクを加えてぐちゃぐちゃとハンバーグにします。これドイツではフリカデッレと呼ばれているもの。普通は肉だけで作るのだけど、半分くらいをパンにしちゃうとフワッと柔らかくて美味しいの。そしてポイントはきれいに成形しないこと。適当に丸めてフライパンにぶち込みましたよね?というくらいがいい。不格好、ゴツゴツ、焦げ目がついてゴロゴロ。これが醍醐味です。丁寧にやってはダメです(笑)。そこがまたドイツっぽい。

硬くなったパンを豆乳に浸してぼろぼろにして使います。あまり硬いときは一晩浸します。
たっぷりの浸したパンにひき肉、醤油麹やタイムをタップリ加えて香り良く、消化良くが我が家のフリカデッレ。
ごつごつ、ゴロゴロフリカデッレ!

子どもたちに人気なのはやはりフレンチトースト、そしてラスク。ラスクは二日目、三日目のまだカチコチになっていないけど、ちょっと乾いてきたね、くらいのパンを薄くスライスしてオリーブオイルを塗って焼きます。カリカリになったらオッケー。好みでパプリカパウダーやハーブを散らして。子どものおやつにも便利です。これらは天然酵母のパンが主流のドイツだから、というのもあるので、やってみるときにはぜひ天然酵母のパンでお試しくださいね。

残りのバゲットでラスクは定番。むしろこれ狙いで多めに買う。オリーブオイル塗ってオーブンで150度で10~15分カリッとするまで焼いてあとはパプリカパウダーなど好みで。
いろんなパンの残りを寄せ集めてフレンチトーストは週末にもってこいのメニュー。

なんか自分がやってきたことに共通項を見出すと外国が、世界がぐっと近くなります。台所から共通項を見つけるだけでちょっとめげそうな海外暮らしも楽しくなる。めちゃくちゃ相違点しか見つからない外国の暮らしに一筋の希望が見えてくる(笑)。やっぱりね、人間ってそういうもんなんですね。単純。

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