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G’s ART REVIEW 約2800点が並ぶ大規模展示『和田誠展』etc.

  • 2021.11.10

11月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする展覧会をご紹介。

『和田誠展』


『「徹子の部屋」の30年』表紙 2007 講談社
©Wada Makoto

2019年に逝去した和田誠は、イラストレーター、グラフィックデザイナーの他にも、さまざまなジャンルで活発な創作を行っていたため、その膨大で多岐にわたる活動内容は計り知れない。本展は、そんな和田誠の仕事に迫るべく、ヴィジュアル年表とともに、約30のトピックスを軸に、およそ2800点の作品や資料を紹介する。一目見れば彼のものだとわかる個性を持ちながら、全体像を見る機会はそれほど多くはなかった和田誠。その全貌が、この展覧会で見られそう。

『ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式「海の幸」—森村泰昌 ワタシガタリの神話』

森村泰昌[自画像/青春(Aoki)]2016/2021 作家蔵

石橋財団コレクションと現代美術家が共演するこの企画。第2回は森村泰昌を迎え、明治期を代表する洋画家・青木繁の作品とのセッションが展開される。これまで、古今東西の絵画や写真に表された人物に変装し、独自の解釈を加えて再現する「自画像的作品」を発表してきた森村。今回、あらためて青木の[海の幸]と向き合って制作した新作を、50点以上も発表するという。明治期以降の日本の文化、政治、思想などの変遷史を自ら形象化した新シリーズを堪能したい。

ピーター・シスの闇と夢


[『かべ 鉄のカーテンのむこうに育って』原画]
作家蔵(エリック・カール絵本美術館寄託) 2007
©Peter Sis, 2007

チェコスロヴァキア出身でアメリカを代表する絵本作家、ピーター・シス。1987年からこれまで30作以上の絵本を発表し、日本でも多くが翻訳されている。チェコで映像制作を行っていたシスは、82年にアメリカに亡命した後、絵本作家として歩み始めた。シスの作品は、ソ連支配下で過ごした辛い経験を描写した自伝的絵本など、どこか闇や暗さを醸す中に、自由に表現することへの喜びと情熱が静かににじむ。日本初の個展となる本展では、約150点を通してシスの芸術に迫る。

*展示期間、内容などは諸事情により変更する場合があります。詳細は各展公式サイトをご参照ください。

GINZA2021年11月号掲載

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