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ワクチン接種で健康被害が…どんな補償が受けられる?

  • 2021.11.7

もしワクチンを打ったことが原因で健康被害が出た場合、国が補償する「予防接種後健康被害救済制度」を利用できる可能性があります。新型コロナウイルスのワクチンはもちろん、その他のワクチンも対象になる制度です。どんな内容なのか解説します。

「予防接種後健康被害救済制度」とは

ワクチンを打ったあと、感染症予防というプラスの効果だけでなく「副反応」というマイナスの効果もいっしょに発生することがあります。

副反応の多くは一時的な発熱や腕の腫れなどで、世の中に出回っているワクチンは、マイナスの効果よりもプラスの効果のほうが大きいと判断されたものです。

ただ、なかには軽度の副反応だけでおさまらず、ワクチンが原因で病気になったり障害が残ったりするケースもあります。そんな場合の救済措置として用意されているのが「予防接種後健康被害救済制度」です。

その病気や障害がワクチン接種によって発生したものと厚生労働大臣が認めたときには、この制度を通じて医療費や障害年金などの補償を受けることができます。厚生労働大臣は、専門家からなる国の審査会がワクチンと健康被害の因果関係について審査した結果をもとに認めるかどうかを判断します。

この制度は、新型コロナウイルスのワクチンだけでなく、あらゆる定期接種・予防接種を対象としています。

どんな補償が受けられる?救済制度の内容

予防接種後健康被害救済制度が適用されることになれば、以下のような補償を受けられます。

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(画像=厚生労働省「予防接種健康被害救済制度について」)

ワクチンの種類によって、受けられる補償が違います。A類には新型コロナウイルス、風疹、破傷風、結核など、B類には季節性インフルエンザや高齢者の肺炎球菌感染症などが分類されています。

ワクチンを原因とする病気や障害の治療にかかった費用は「医療費」や「医療手当」で、障害が残った場合は「障害児養育年金(18歳未満)」や「障害年金(18歳以上)」、亡くなった場合は「死亡一時金(A類)」か「遺族年金(B類)」、「葬祭料」など状況に応じて補償されます。

救済制度を利用する方法

最後に、救済方法を利用する方法についても知っておきましょう。

もしワクチンによる健康被害が疑われる場合は、予防接種を受けたときに住民票があった市区町村で申請手続きをします。役場の「保険福祉課」や「保健福祉センター」などが受付窓口になります。本人が行けなくても、家族が代わりに手続きすることもできます。

手続きには、補償を受けたい内容ごとに以下のような書類の提出が必要です。

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(画像=厚生労働省「予防接種健康被害救済制度について」)

書類がダウンロードできない、書き方がわからない、そろえるのが難しいものがあるといった場合は、先述の受付窓口で相談できます。

これらの書類をそろえて手続きしたあとは、国の審査会での審査結果を待ちます。結果は申請した市区町村から連絡され、支給が決定していれば既定の金額を受け取れます。

ワクチンによる健康被害には救済制度がある

新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいますが、なかには不安を抱えている方もいるでしょう。また、インフルエンザワクチンや4種混合ワクチンなど、ほかにもさまざまな予防接種の機会があります。

こうした予防接種の結果、重い副反応が出て苦しいときは市区町村役場に相談してみましょう。予防接種健康被害救済制度の申請手続きについて教えてもらえるはずです。

文・馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強!銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。

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