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大正時代の茶苑がカフェに。京都・緑の山頂でティータイム

  • 2015.7.24
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京都大学のほど近く。こんもりとした丘のような吉田山の頂上には、かつて広大な茶苑がありました。「市中の山居」という言葉通り、都会に居ながらにして心静まるその場所に、今は「茂庵」という素敵なカフェが建っています。

かつての呼び名を冠した「神楽岡通」からのルートがおすすめ

市バス銀閣寺道停留所から、神楽岡通を南へ歩きましょう。ほどなく右手に山へ上がる階段が現れます。分かれ道ごとに掲げられた小さな看板にそって山を登ることおよそ10分。古い田舎の校舎を思わせる木造2階建ての建物が「茂庵」です。

「茂庵」の建つ吉田山は標高100メートルほどの低山で、山内に吉田神社などの神社を抱くことから、かつては「神楽岡」とも呼ばれました。「茂庵」へ上がるルートは全部で4つありますが、階段が整備され、また案内もたくさん出ている神楽岡通からのルートがおすすめです。

大正期に建てられた茶苑の食堂。窓際の席に座りましょう

「茂庵」の建物が建てられたのは大正時代。実業家・谷川茂次郎氏によるもので、当時は茶室8棟、月見台、楼閣などを備えた広大な茶苑だったそう。現在カフェに使われているのはかつて食堂棟で、ほかに2棟の茶室が残っています。

カフェは建物の2階にあり、西向きの窓に面したカウンター席がおすすめです。晴れていれば京都の市街地はもちろん、遠く愛宕山までが一望できます。「雨の日もおすすめなんですよ。うっすらともやがかかって、それはもう幻想的な風景です」。そうスタッフの高橋さんが話してくれました。

ランチには地元産の野菜を使ったサンドイッチを

ランチにおすすめなのがスープと豆サラダのついた「ピタパンサンド」(1300円)。トマト&モッツァレラチーズ、なす&ズッキーニという定番の組み合わせに加え、季節ごとに変わる4種の具材から2種類を選ぶことができます。

使われている野菜は、地元の八百屋から直接仕入れているものなので、新鮮で野菜本来の味がしっかりと感じられます。プラス200円で、コーヒーや紅茶、高知県から取り寄せているの柚子ジュースなどのドリンクをつけることもでき、さらにワインやビールなどのアルコールもそろっています(+500円)。晴れた昼下がり、のんびりと大人の時間を過ごすのもいいですね。

抹茶と愛らしい和菓子でティータイムも

ティータイムには、ぜひ抹茶をいただきましょう。宇治の抹茶をつかったお薄(おうす)に西陣の老舗「塩芳軒」のかわいらしい干菓子と、昔ながらの手作業を守り続けている「緑寿庵清水」の金平糖が添えられています(760円)。

窓からの景色を眺めながら静かに抹茶をいただいていると、かつての茶苑にいるかのような気持ちが味わえます。

夏には自家製のいちごシロップや柚子蜜を使ったかき氷も登場します。街なかの喧騒をはなれて静かなひと時を過ごしに、「茂庵」を訪れてみませんか。

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