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【朝鮮王朝の不思議】『ノクドゥ伝』の寡婦だけが住む村はなぜ存在するのか

  • 2021.11.1
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テレビ東京の韓流プレミアで『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』が快調にスタートしているが、このドラマで不思議なのは寡婦だけが住んでいる村があることだ。

結局、チャン・ドンユンが演じる主人公のノクドゥは自分たちを襲った刺客を探して男子禁制の村にやってきて女装姿に変身するのだが、そのときに登場する寡婦村が気になる視聴者も多いことだろう。そこで、当時の風習について解説していこう。

朝鮮王朝時代は儒教が国教になっていて、その価値観が庶民の暮らしに多大な影響を与えていた。儒教は人間の身分の違いを容認する傾向が強く、特に男尊女卑が顕著だった。

それが如実に現れたのが結婚制度だった。

高麗時代の結婚制度は一夫多妻制だったが、朝鮮王朝時代には一夫一婦制となった。しかし、女性は結婚しても男性から理不尽に離縁をされても文句が言えなかった。さらにひどいのは、再婚する自由すらも奪われていたことだ。

そういう事情があって、寡婦となって1人で寂しく生きていかざるをえない女性が多かった。このように、朝鮮王朝というのは、大人になった女性が生きづらい時代だったのである。

ドラマ『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』より。DVD好評リリース中・U-NEXTにて見放題配信中 (写真=Licensed by KBS Media Ltd.(C) 2019 KBS. All rights reserved)
当時の風潮に合わせたストーリー

一人の夫だけに尽くすことが美徳だと信じられていて、もし夫が亡くなったときに妻が後を追って自害することが尊敬の対象になった。実際にそういう女性がいて、彼女たちは「烈女」として後世まで讃えられた。

有名なのが、21代王・英祖(ヨンジョ)の娘の1人であり、彼女は亡くなった夫を慕って自害して「烈女」として祭られた。こうした風習があったのも歴史的な事実なのである。

いずれにしても、朝鮮王朝時代は現代に比べてはるかに寡婦の割合が高かった。そうした寡婦を保護する村があっても不思議はないわけであり、『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』では当時の風潮に合わせてストーリーの中に寡婦たちの生き方を取り入れている。

そして、不思議な村に女装して潜入したノクドゥは、キム・ソヒョンが扮するドンジュと縁を結びながら、様々な事実をつかみとろうとしていく。

果てして、ノクドゥとドンジュの同居生活はどうなっていくのか。とても興味深い。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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