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その意匠も見どころ。渋沢栄一邸跡地「teal」で束の間の甘いブレイクを

  • 2021.10.30

証券発祥の地であり日本経済の中心の街である日本橋兜町。近年は多様なカルチャースポットが増え賑わいを見せている。そんな兜町のなかでひと際重厚な雰囲気の旧渋沢栄一邸こと「日証館」。オフィスビルである日証館の一角に、絶品スイーツを味わえるスポットが登場した。

日本橋兜町最北部の日証館は、2024年に一万円札の顔となり日本資本主義の父と称される渋沢栄一の旧邸宅跡地に建てられた。
Harumari TOKYOフリーペーパー2021年特別号では俳優・吉沢亮さんの撮影(https://harumari.tokyo/62672/ )を行った築100年近い歴史的建造物だ。1928年(昭和3年)より継承されてきたその意匠を残し、兜町の歴史を感じる独特の佇まいと荘厳な存在感が特徴的。数々のテレビドラマなどの撮影地に選ばれ、最近ではカンテレ・フジテレビ系ドラマ「アバランチ」でも登場している。

長年オフィスビルとして活用されてきた日証館の一角に、チョコレート&アイスクリームショップ「teal」がオープンした。
世界的ショコラティエである「パスカル・ル・ガック」出身の眞砂翔平氏と日本橋兜町で絶大なる支持を得るスイーツ店「ease」の大山恵介氏による最強タッグが実現。

ショコラティエである眞砂氏は、2017年 Top of Patissier in Asia ベストショコラティエを受賞した確かなチョコレート技術の持ち主。一方で大山氏はミシュラン星付きレストランパティシエの経験が生み出す絶妙なバランスの食材の掛け合わせを活かしながら、チョコレートとアイスクリームを表現する。そんな2人の個性が活かされたスイーツは私たちに驚きを与えてくれるとともに愉しませてくれる。

かつては水の都として発展したといわれる日本橋兜町。その水路の鴨および鴨の羽の色である青緑色からインスパイアされ、店名を「teal」としたという。鴨は壁画に多く登場する鳥で、エジプトでは神聖な動物とされていた水鳥でもある。その鴨が日本橋兜町に「財産」を運んでくるモチーフとして、tealのパッケージや店内にちりばめられている。日証館の特徴的なアーチを象ったショップカード(ギフトタグでもある)はなんともキュート。目新しいデザインは「これどこの?」と聞かれること間違いなしだ。

肝心のチョコレート・焼き菓子は、気負わない見た目で軽やかな味わい。ちょっとした贈り物に嬉しいサイズ感の板チョコは思わずたくさん買ってしまいそうな手軽さと美しさ。ギフトはもちろん、日常的な自分へのご褒美などにも利用したい。

お菓子ごとにチョコレートの種類を使い分けることにより、チョコレートの香り・コク・苦味・酸味を生かしながら、かけ合わせる他の素材の個性も引き立てている。

たとえばブラウニーには、バナナが掛け合わせの素材として使用されている。バナナの食感が独特のねっとり感を生み出して口の中になんともいえない幸福感が押し寄せる。

また、もうひとつの看板メニューはアイスクリーム。常時4〜10種類ほど揃えるフレーバーの中でもまずは定番のミルクとアマゾンカカオは外せない。ミルクは、牛乳そのものの濃厚さはそのままに、滑らかで甘すぎず、すっきりした味わい。アマゾンカカオは、素材の味がよりダイレクトに感じられるソルベになっており、アマゾンカカオの華やかな香りとフルーティーさが口の中いっぱいに広がる。
特筆すべきアイスクリームの持ち味は、極上の滑らかさだ。たくさんあって選べないという人こそ、季節によって変わるフレーバーと定番の組み合わせにぜひトライしてみてほしい。

いちご×柚子のフレーバーにオリーブオイルをトッピングしたり、洋梨のソルベに玉露緑茶をあわせたりなどユニークな味の提案は驚きをくれるだろう。口あたりの滑らかさ故に、素材の味や香りが濃厚に伝わるのに、くどくない。季節によって随時フレーバーは変更するとのことなので、通うたびに新しい出会いがあるのも愉しい。

店内にはイートイン席も用意されているので、ぜひ店内に座って、その内装や建築美・ところどころ残る歴史の残り香を堪能してほしい。隣接する兜神社が見えるよう配置された大きな窓も、兜町らしくて面白い。「おいしい」だけを堪能するにはこのスペースはもったいなさすぎる。街歩きに疲れたら、甘いブレイクタイムを。せっかくなら、歴史のなかに迷い込もう。

【teal】
◆プレオープン:2021年10月28日(木)〜11月11日(木)
◆オープン:2021年11月12日(金)
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