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かつての大企業がなぜ?JTB大赤字で本社ビル売却、大量リストラ…

  • 2021.10.30
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旅行会社最大手と言われるJTB。コロナ禍の影響を大きくけています。本社ビルの売却や大量リストラといった話も聞かれますが、実情はどうなのでしょうか。

■売上高は前年比71.1%減

JTBの2021年3月期連結決算は、売上高1兆2,886億円だった前年から71.1%減の3,721億円となりました。最終損益は過去最大となる1,051億円の赤字(前期は16億円の黒字)となっています。

部門別にみてみると、新型コロナウイルス感染症の影響で、国内旅行は前年比66.4%減、海外旅行は前年比94.9%減となっています。経営の安定度を示す自己資本比率は、3月末時点で前年比17.4ポイント減の6.9%まで低下。厳しい状況に追い込まれています。

■減収減益の影響

減収減益により、JTBはグループ従業員の4分の1にあたる7,200人の人員削減、国内115店舗が閉鎖となりました。従業員のボーナスは、22年夏まで支給しない方針で、住宅ローンなど借入がある従業員にとっては大きな打撃となるでしょう。

また資金調達のために20年前から所有している品川本社ビルと大阪の自社ビル2棟の売却を行いました。さらに節税のために資本金を23億400万円から1億円にまで減らし、税制上では中小企業となっています。

■コロナ以前から予兆はあった

新型コロナウイルス感染症の影響はもちろん大きいのですが、原因はそれだけではないようです。JTBはオンライン化に遅れがみられていました。実際に、新型コロナウイルス感染症の影響がない2019年も赤字だったのですが、この年の個人向け旅行取扱高のうち7割を店頭販売が占めていました。

■業績改善に向けた顧客の取り込みは必須課題

本社ビルなどの売却額は全体で300億円程度です。一時的な資金繰りの改善にはなりますが、業績改善ができなければ根本的な解決にはなりません。コスト削減できるオンライン化を進めると同時に、アフターコロナに向けて、他社にはないような魅力的な商品を打ち出すなど、顧客の取り込みが必須課題です。

文・勝目麻希

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