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お風呂場に発生する「赤カビ」「黒カビ」の正体は?掃除や予防法も解説

  • 2021.10.23
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お風呂場のカビ、どう防ぐ?
お風呂場のカビ、どう防ぐ?

湿気がこもりやすいお風呂場の掃除で、最も厄介なのが「カビ」の存在です。お風呂場のカビといえば、風呂用いすやシャンプーボトルの裏によく発生する、「ピンク汚れ」とも呼ばれる「赤カビ」、そして、壁や天井にポツポツと発生する「黒カビ」が挙げられますが、ネット上では「いつも掃除が大変」「ピンク色のぬめりがすぐ出てきて困る」「カビを予防するにはどうしたらいい?」など、カビに悩む声が多くあります。

お風呂場に発生する赤カビ・黒カビの正体や、カビが発生しにくいお風呂場にするためのポイントについて、ハウスクリーニングアドバイザーの有賀照枝さんに聞きました。

「温度」「水分」「栄養」の3条件

Q.そもそも、なぜ、お風呂場にはカビが発生しやすいのでしょうか。

有賀さん「カビが発生しやすい条件は『温度が20~30度』『水分がある』『栄養源がある』ことです。特にお風呂場は温度や湿度が高くなりやすく、皮脂汚れやせっけんカスなどの栄養源が出やすいなど、カビが活発に活動するのに適する条件がそろいやすい環境にあります。この3条件のうち、どれか1つの要素を抑えることができれば、カビの大量発生を回避できます」

Q.お風呂場に発生することの多い「赤カビ(ピンク汚れ)」「黒カビ」について教えてください。

有賀さん「赤カビの正体は『赤色酵母(ロドトルラ属)』という微生物の一種で、お風呂場をはじめ、どこにでもいる菌です。この菌が増殖するとコロニー(集合体)を形成し、私たちの目には赤色やピンク色に見えるようになります。触るとヌルヌルしている場合は、その他の微生物も集まってバイオフィルム(生物膜)を形成しています。一方、お風呂場以外でもよく見かける黒カビは『クラドスポリウム属』という糸状菌の微生物です。目には見えませんが、空気中に胞子の状態で浮遊しています。

赤カビは直接的に人体に影響を及ぼすことは少ないですが、黒カビはぜんそくやアレルギーの原因物質になるので注意が必要です。どちらも先述の温度、水分、栄養源の3条件がそろうと発生しますが、赤色酵母の方が黒カビよりもコロニーを作る増殖スピードが速いので、赤色酵母が発生した後、そのまま放置していると、カビ発生に適した状態が続き、黒カビが発生してきます」

Q.赤カビや黒カビが特に発生・繁殖しやすいお風呂場の特徴とは。

有賀さん「換気が不十分で、いつまでもジメジメして湿っていたり、皮脂やせっけんなどの汚れが残っていたりするお風呂場はカビが発生・繁殖しやすくなります。普段、温度が低いお風呂場であっても入浴中は室温が上がるので、カビの発生条件に当てはまることになります。つまり、入浴後に換気をせず、長時間にわたって水分がお風呂場内に残ったり、皮脂やせっけんカスなどをきれいに流さずにいたりすると、あっという間にカビが発生するのです。

また、ゴムパッキンやシリコンでコーキングされた部分に傷や剥がれがあると、その部分に水分や汚れが入り込んで、カビが発生しやすくなるので、補修は小まめに行いましょう」

Q.お風呂場にカビが発生したら、どのように掃除をすればよいでしょうか。赤カビ・黒カビのそれぞれに効果的な掃除方法を教えてください。

有賀さん「黒カビには塩素系カビ取り剤を使うとよいですが、素材によっては長く放置しておくと黒い色が落ちなくなるので、黒カビを見つけたら、早め早めに対処するのが賢明です。塩素系カビ取り剤を使うときは換気に十分気を付けて、カビに吹き掛けたらこすらないようにし、所定の時間放置しましょう。

赤カビは基本的には浴室用洗剤でもきれいになりますが、黒カビ同様、塩素系カビ取り剤を使った方が発生頻度を抑えられるので、掃除の頻度を少なくできます。黒カビ同様、赤カビも長く放置しておくと色移りし、落ちにくくなるので注意が必要です」

Q.カビ掃除を少しでも楽にするために「カビが生えにくいお風呂場」にしたいと考える人も多くいます。カビの発生を予防するために、日頃からできる対策はありますか。

有賀さん「カビが生えにくいお風呂場にするには、いくつかのコツと対策があります。まず、毎日の入浴後は目線から下の壁や床、シャンプー類やいすなどの小物類を、可能であれば50度以上の温度に設定したシャワーの湯で丁寧に流して、しっかり換気しましょう。お子さんがいるなどの事情で50度以上の設定が難しい場合は、40度台のお湯や水でも大丈夫です。

その後はできれば、スクイジー(水分除去用のT字形の道具)を使って、大まかに浴槽内の水を切り、お風呂場内が早く乾く工夫ができるとさらによいでしょう。24時間換気ができるお風呂場であれば、ずっと換気をしておくのをおすすめします。その方が空気の流れができ、浮遊したカビの胞子も付着しづらいです。そのかわり、換気扇に汚れがたまりやすくなるので、小まめにフィルター掃除をしないと、今度は換気扇からカビが発生することも考えられます。

また、浴槽のエプロン部分(側面)やその奥、換気扇、天井部分は大掃除のときや汚れが気になり始めたときなどに、定期的に掃除しましょう。カビの発生頻度が高くなってきたと感じる場合は、目に見えにくい場所でカビが大量発生している可能性もあります。アロマなどの入浴剤を使っている人は成分が壁面などお風呂場全体に付くので、さらに掃除の頻度を上げてください。

しっかり、カビを取り除いた後は防カビ剤をお風呂場全体に使うのもおすすめです。カビ発生の頻度が随分抑えられるはずです」

オトナンサー編集部

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