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アートブックでポジティブな視点を。今年のTABFは“2会場”を遊びこなす

  • 2021.10.21

「本」という形態を通した芸術表現、アートブック。国内外の出版社やギャラリー、アーティストによる独創的なアートブックが東京に集結するイベント「TOKYO ART BOOK FAIR(TABF)」。バーチャルとリアルの2本柱で開催されるTABF、今年はどちらも愉しめそうだ。

気になったら目の前に作り手がいる面白さ。まだ見ぬ出会いが待っている、アートブックフェア

TABFは、日本で初めてのアートに特化したブックフェアとして、2009年にスタート。アートブックフェアというと敷居が高そうな印象を受けるかもしれないが、一言でいうと「作り手たちから直接作品を購入できる即売会」といったところ。本の内容も写真、グラフィックデザイン、印刷表現そのものを突き詰めたものなどさまざまで、ふらりと立ち寄り各ブースを眺めているだけでも愉しい。気になる表紙を手に取れば、思わぬ掘り出し物と出会えるはずだ。何も詳しい知識がなくても、目の前にいる作り手とすぐに会話ができるのがTABFの面白いところだろう。お目当てのものじゃないアートブックとの出会いこそがこのイベントの醍醐味だ。

2019年開催の「TOKYO ART BOOK FAIR: Ginza Edition」現地レポートはこちら(https://harumari.tokyo/14275/)。

年に一度、国内外から個性豊かな作品が集結するTABFだが、昨年2020年はコロナ禍の影響を受け「VIRTUAL ART BOOK FAIR(VABF)」としてオンラインで開催。
今年は、オフライン=東京都現代美術館とオンライン=バーチャル空間、2つの会場で開催される。東京都現代美術館では10月28日(木)から、オンライン会場ではひと足はやく10月22日(金)からスタートする。

昨年からより進化したバーチャル空間で、オンラインならではの愉しみ方を

画像はイメージですHarumari Inc.

オンライン会場を訪れると、まず目に入るのはじゃがいもやにんじんなど、土に埋もれた野菜のユニークなアイコン。6種類の野菜が各ステージの入口となっており、入場するとマルシェのようにブースが並ぶ光景がかわいらしい。リアルな会場を流し見するように、画面をスライドしながら各ブースをチェックできる。
会期中は誰でも無料で入場でき、自分のペースでじっくりと各ブースを見られるのがうれしい。検索機能やお気に入り登録機能など、オンラインならではの便利機能を使いこなせるのも魅力だ。ZoomやBBSを活用して、出展者とコミュニケーションを取ることもできる。入場はこちら(https://tokyoartbookfair.com)から。

オフライン会場では、ポジティブに2021年のリアルを感じる

一方東京都現代美術館のオフライン会場では、コロナ禍の現状を受け入れ、模索しながらさまざまなクリエイティブに挑戦する作り手の活動にもフィーチャー。

ヴォルフガング・ティルマンスが主宰する非営利団体Between Bridgesが立ち上げた、アート・音楽関係のインディペンデントスペースやイベント、出版などを支援するためのプロジェクト「2020Solidarity」で制作されたポスター58点のほか、パンデミック以降の国内外のアートブックやZINEなどの印刷物にフォーカスを当てた展示「Covid “Positive”」が見どころだ。

ロックダウンの日々を記録したZINE、ニューノーマルな生活を楽しむためのプロジェクトをまとめた作品、エッセンシャルワーカーを被写体とした写真集など、世界各国からパンデミック以降の世界を考察するアートブックを展示している。

また、オンラインで出展されるアートブックの一部を手に取ることも可能だ。Online Exhibitors Libraryでは、国内拠点作家が2019年以降に刊行した作品のサンプルが会場に並ぶ。気になるものがあればオンライン会場に入場して購入しよう。

アートブックとは、独自の視点で私たちに新しい「ものの見方」を提示してくれる存在。今年のTABFでは、オフラインとオンライン、自分にあった方法を選んで日常をポジティブに生き抜くヒントを見つけることができそうだ。

アイキャッチPHOTO: Hajime Kato

■公式サイト
https://tokyoartbookfair.com/
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