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新型シビックに試乗──6MTモデルは最高の仕上がりだった|HONDA

  • 2021.10.21
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1972年にFFのコンパクトな2ボックスとしてデビューしたホンダ「シビック」。今回の新型はついに11代目を数えることになり、そのスタイルは流麗な4ドアハッチバックというものとなった。そして、運転することが大好きなユーザーがまだまだ多いというシビックファンのため、6MTモデルがきちんと残されたのも朗報だ。その乗り味を確かめるため、八ヶ岳の麓を中心とした公道試乗会に参加した。

Honda CIVIC EX|ホンダ シビックEX

新型シビックに試乗〜6MTモデルは最高の仕上がりだった

1972年にFFのコンパクトな2ボックスとしてデビューしたホンダ「シビック」。今回の新型はついに11代目を数えることになり、そのスタイルは流麗な4ドアハッチバックというものとなった。そして、運転することが大好きなユーザーがまだまだ多いというシビックファンのため、6MTモデルがきちんと残されたのも朗報だ。その乗り味を確かめるため、八ヶ岳の麓を中心とした公道試乗会に参加した。

Text & Photographs by HARA Akira

爽快シビック

1972年にデビューした初代シビックは、FFのコンパクトな2ボックスボディに低公害のCVCCエンジンを搭載するという革新的スタイルで登場し、たちまち世界市民のベーシックカーとして認められて大ヒットモデルとなった。

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以降、2代目のスーパーシビック(1979年)、3代目のワンダーシビック(1983年)、4代目のグランドシビック(1987年)、5代目のスポーツシビック(1991年)、6代目のミラクルシビック(1995年)、7代目のスマートシビック(2000年)など小型ハッチバックスタイルを続け、その後の8〜10代目は少し大きなミドルクラスへと成長した。初期のシビックのイメージを大事にするファンからは、“らしさ”が失われたとして、特に日本においては販売台数が減少に転じたのは仕方がないところだが、北米や欧州など海外では今なおホンダのメインモデルとして頑張っているのだ。

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そんなシビックがフルモデルチェンジして、11代目となった。ホンダによると今回の新型は、コロナなどの混迷が続く現代においての「一服の清涼剤」となるべく開発され、完成したモデルの愛称は「爽快シビック」になったという。

内外装はすっきりと

内外装はすっきりと

新型のボディサイズは全長4,550×全幅1,800×全高1,415mmで、ホイールベースは2,735mm。先代に比べてそれぞれ30mm、35mm長くなった全長とホイールベースから充てられるスペース分は、後席とラゲッジへ与えられている。

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新型シビックに試乗──6MTモデルは最高の仕上がりだ|HONDA
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新型シビックに試乗──6MTモデルは最高の仕上がりだ|HONDA

エクステリアは、低く見切りの良いフロントフードと取り付け位置を50mm後退させたAピラー、ヒンジボリュームを50mm低めてなだらかなラインになったリアハッチ、水平基調のベルトラインなどによって、アグレッシブなデザインを採用していた先代に比べてかなりすっきりしたものになっている。

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インテリアもこれに連動して水平基調で視界の良いデザインを採用。チルトとテレスコが可能なステアリングホイール、低い位置に取り付けられたドライバーズシート、それに合わせたかのような低く水平なインパネによって、まるでスポーツカーに乗っているようなドライビングポジションを取ることができる。

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開発担当者に聞くと、このデザインは3代目のワンダーシビックを参考にしたとのこと。さらにもう少し下げることが可能だったのだが、そこまで低いと平均速度の高い欧州などでは逆に不安感が増すので、200km/hでも安心して乗っていられるという今の位置に決めたのだという。このあたりはホンダ車らしくて素敵な部分。メッシュパネルのワイドなエアコンアウトレットなどの意匠も新しさを感じさせてくれる。

近年の新型車の中でもトップクラスのコーナリング性能

近年の新型車の中でもトップクラスのコーナリング性能

新型シビックが搭載するパワーユニットは、今のところ1.5リッター直列4気筒ガソリンターボエンジン一択だ。電気の補助を一切搭載していない純内燃機関のそれは、高効率ターボ&低圧損過給配管、4-2エキゾーストポートシリンダーヘッドをはじめ、高剛性のクランクシャフトとオイルパン、VTECエキゾーストなどで“武装”。最高出力134kW(184ps)/6,000rpm、最大トルク240Nm/1,700〜4,500rpmを発生する。初期受注の4割近くが選んでいるという6段MTモデルを中心に、八ヶ岳周辺のワインディングに走り出してみた。

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まずはマニュアルシフトの操作感。シフトゲートを先代の樹脂製からアルミを混ぜた剛性の高いものに変更したおかげか、レバーの動きが程よく硬く正確で、しかもショートストローク。手のひらの返しだけでコクコクと狙ったギアに入っていくので、それだけで楽しくなる。そして回転計の針が3,000回転あたりを過ぎると、ちょっと低めのホンダミュージックが聞こえ始めるからたまらない。ギア比がワイドレシオなので、そこからトップエンドまでの長い時間で音の変化を聞き続けられるのもいいし、エンジン音と車速の伸びがピッタリとマッチしていることも、快感が味わえる要因になっている。

一方、シフトレバーの位置は少し左側に寄っていて、シフトダウンの時に奥に向けて動かすのがちょっと遠くに感じた点と、エンジンの回転落ちに時間がかかるのは、数少ないちょっと気になるポイントだ。

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CVTモデル

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とはいえ、ダンパーやボールジョイント、ハブやブッシュなど各部の徹底的な低フリクション化や適正化を行ったことで、試乗コースの荒れた路面を軽々といなしつつ、気持ちよくコーナリングし続けるその出来栄えは、近年の新型車の中でもトップクラスに位置していると断言できる。さらに、グッドイヤー製「イーグルF1アシンメトリック2」スポーツタイヤが発するロードノイズもきっちりと遮断され、巡航速度では静粛な室内空間も保たれている点も素晴らしい。

もう一台のCVTモデルも、ラバーバンド感のないシフトフィーリングやパドルシフトによる意のままの加減速、静かな車内などが印象に残ったけれども、MTモデルのあまりの楽しさに、少し影が薄くなってしまったのも事実。来年登場すると噂される「タイプR」への期待がグンと高まる試乗だった。

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Tel.0120-112010
https://www.honda.co.jp/

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