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男性が求める「いい女」はどう変わった?【ひとみしょうの男ってじつは】

  • 2021.10.20
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今回は、昭和・平和から令和という時代の流れのなかで、男性が求める「いい女」はどう変化したのかについて、一緒に見ていきたいと思います。

昭和・平成の「いい女」、令和の「いい女」

昭和・平成と令和の時代を比べたとき、もっとも端的に言えることとして、日本が(相対的に)貧しくなったということが言えるように思います。

おそらく多くの人がご存知のとおり、諸外国の物価と手取りの給料はここ30年で上がっています。対して、日本は30年前と同じか下がっている。加えて、「派遣」という働き方を政府がしれっと導入した。

たとえば、コロナ前にハワイに行った人はご存知でしょうが、ハワイでは500円でハンバーガーすら買えません。日本ではコンビニで200円で買えますが、ハワイでは買えません。1000円以上します。つまり、日本が相対的に貧しくなったのです。だから「インバウンド」なのです。物価の安い国に旅行に行く。これは先進国に共通する人情なのでしょう。

さて、「貧しい」令和の時代に男たちが求める「いい女」。それは言うまでもなく「働いてくれる女性」です。

昭和・平成は「専業主婦」になる(なってくれる)女性が「いい女」でした。お金があったのです。あるいは、肩パットの入ったスーツを着て男並みに働かれては困るといった女性蔑視の風潮――戦前からの風潮が色濃く残っていたのです。

今は「俺ひとりの給料では家族を養えないから、結婚しても働いてくれる女性を探して付き合って結婚したい。それこそがいい女だから」男たちはこのように思っています。

コロナ禍における「いい女」

で、コロナです。

コロナ禍によって、男たちの「いい女像」はさらに「バージョンアップ」しました。

働いてくれて、なおかつ、会えなくても文句を言わない女性が「いい女」になりました。

コロナで会えない、淋しい、だから鬼のようにLINEを送ってくる女子……勘弁。会えなくて淋しいからマッチングアプリで会えそうな手軽な男と会ってエッチする女子……勘弁。

女性にとっての「いい男」

対照的に、女性にとっての「いい男」は、昭和・平成と令和とでさほど変わっていないように思います。

安定した稼ぎのある男がいい男。優しさとかいろいろ条件はあるけれど、究極的には、安定した稼ぎのある男がいい男。

昭和・平成もそうでした。お金を持っている男にカプリチョーザとかイルキャンティとか、100歩譲ってこじゃれた居酒屋に連れて行ってくれる男=いい男。ラブホ代を払ってくれる男=いい男。

令和の今は、ラブホ代すら割り勘でもいいと言う女子がいなくはありませんが、でも彼女に「真にいい男とは?」と尋ねると、やっぱり「たくさんでなくていいけど、お金がないと」と言うはずです。

また、夢を追う収入不安定な男より、安定した稼ぎのある男を、女子は究極的には選んでいるでしょう。

さらには「私も働くけど、旦那はそれとは別にしっかり稼ぐ人がいい」と言うでしょう。

恋愛がうまくいかない理由

という感じで見てきたら、結局、男にとっての「いい女」だけが変化し、女子にとっての「いい男」はなんら変化していないと言えますね。

男は「働いてくれる女子=いい女」と思っているものの、女子は昔から男に稼ぎを求めている。

これはなにも、自立していない女性像とか、男に頼っている女性像、といったことを意味しません。

おそらく、女子は「自分が育った家庭くらいにはお金がある家庭を築きたい」と思っているのではないでしょうか。そこには悪気どころか男尊女卑や女尊男卑の思想などまったくないのではないでしょうか。

「わたしが考える『愛のある家庭』を実現したい。そのためには『パパ』の稼ぎくらいはほしい」と、素直に思っているのではないでしょうか。

でもね、だから、「パパ」の昭和・平成の時代は去ったのよ。令和の日本は貧しいのよ。と言いたいのですが、でも局所的には、昭和・平成のままずっといいお給料を払っている会社もあるわけでして……。

(ひとみしょう/作家・キルケゴール協会会員)

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