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温室に入れる植物とは? 冬越しの注意点についてもご紹介します!

  • 2021.10.20
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植物の冬越しといえば、まず思いつくのが温室という方が多いのではないでしょうか? しかし、ただ闇雲に温室に入れただけでは冬越しは上手くいかないこともあります。この記事では、温室に入れる植物や冬越しの注意点について詳しくご紹介します。

温室のメリット

温室
Dean Drobot/Shutterstock.com

温室を使うとどんな利点があるのか、まずは温室のメリットについて解説します。

天候の影響をあまり受けない
天候
Katerina Davidenko/Shutterstock.com

温室は外部環境と切り離されているため、天候の影響を受けづらいというメリットが挙げられます。

露地栽培の場合は日照りや長雨など悪天候の影響を強く受けてしまいますが、温室では温度や水分量をコントロールすることが出来ます。

ですので、年間を通して安定して植物を育てることが可能です。

出荷時期をずらすことが出来る
野菜
Sergio Sergo/Shutterstock.com

温室では先ほどもご紹介した通り天候に左右されないため、抑制栽培や促成栽培を行うことができます。

抑制栽培は出荷時期を遅らせる栽培方法で、促成栽培は出荷時期を早める栽培方法です。

温室を利用してこれらの栽培方法を行う事で、流通が少なく市場価値の高い時期にも出荷すれば高値で売ることが可能です。

同様に、同じ種類の花の咲くタイミングをずらすことができます。

同じ種類の花であれば、育て方が同じであればほぼ同時に花を咲かせてくれますが、促成栽培で早く咲く株をつくり、普通の育て方をした花が咲けば、同じ花を長く楽しむことができます。

さらに抑制栽培で開花を遅らせた株をつくっておけば、さらに長い時期花を楽しむことができます。

全自動化することにより効率が上がる
植物工場
Scharfsinn/Shutterstock.com

温室は外界から隔てられた環境なので、水やりや日照時間を人為的にコントロールすることができます。

センサーやタイマーなどを使うことで管理を自動化すれば、日々の管理はあまり手間をかけずに行うことができます。

全自動化出来るのは温度調整や日照量、肥料量などがあります。

最新技術を利用した農業はスマートアグリ、またはスマート農業と呼ばれ、世界中で注目されています。

家庭園芸でも、自分の環境に合った設備や機材を選んで利用することでさらに効率よく育てることが出来ます。

温室のデメリット

植物
Tasha Horse/Shutterstock.com

ここまでで温室のメリットについてご紹介しました。便利な温室ですがデメリットも存在します。

ここから温室のデメリットについて解説します。

費用がかかる
コスト
lovelyday12/Shutterstock.com

温室を導入したり維持するためには金銭的な費用がかかってしまいます。また、温室で使用している機器や道具は必ずいつかは修理や交換が必要です。全自動にする場合には電気やエネルギーなどのランニングコストもさらにかかってしまいます。

営利目的で行う場合には、初期費用やランニングコストをよく考えておく必要があります。また、場合によってはより付加価値の高い作物に切り替えることを検討する必要もあるかもしれません。

趣味の家庭園芸であれば、どこまでお金をかけるかは各自のお財布次第です。

設備を導入する以上どうしてもかかってしまう費用ですが、物を大切に扱って長く使いできるだけ費用がかからないようにしましょう。

自然災害の影響を受けやすい
ビニールハウス
Watch The World/Shutterstock.com

温室は残念ながら通常の建物よりも自然災害に弱い構造物です。台風などの自然災害で倒壊してしまうと栽培している植物にも被害が及び、最悪の場合は栽培が出来なくなってしまいます。また、温室の修理をする場合も時間や費用がかかってしまいます。

ただし、温室内の環境はある程度は人為的にコントロール可能なので、日照りが続く時は水やりを多くしたり遮光ネットを使って日ざしを制限することもできます。

また、冷暖房設備を使えば猛暑や厳寒を避けることも可能です。

冬にどのような植物を温室に入れる?

植物
Luis Molinero/Shutterstock.com

冬の温室には基本的に観葉植物などの寒さに弱い植物を入れます。

秋になって最低気温が18℃を下回るようになったら温室の準備を始め、最低気温が15℃を下回るようになったら、寒さに弱いものから順次植物を温室に入れるようにします。

冬越しする際の注意点

冬越し
basel101658/Shutterstock.com

冬に温室を利用する際にはいくつか気を付けなければいけない点があります。

ここからは温室で冬越しをする際の注意点について解説していきます。

置き場所
温室
Julia Bond/Shutterstock.com

先ほどご紹介したように、観葉植物などの耐寒性の弱い植物は、冬の間は温室または室内に入れて栽培するようにします。

その際の置き場所としては、明るくて暖かい場所が適しています。

しかし、温室のビニールのすぐ近くや室内の玄関、窓際などは室内でも冷えやすい場所であるため、このような場所からは少し距離を開けるとよいでしょう。

また、空気が乾燥していると植物が枯れてしまう可能性があるので、水やりや過湿はこまめに行いましょう。

保温方法
保温
Diyana Dimitrova/Shutterstock.com

冬の室内は比較的暖かく、栽培に適しています。

しかし、深夜から朝方にかけては気温の差が大きくなる可能性があるため、栽培する場所はできるだけ気温差のない環境にする工夫をしましょう。

暖房器具は保温方法として効果的ですが、空気が乾燥する原因になるため注意が必要です。

その他にも、植木鉢を保温性の高い発泡スチロールの箱などに入れても対策することができます。

温室の場合、冬とはいえ直射日光にさらされると内部は意外と高温になってしまいます。

昼間は扉に少しすき間を開けて温度が上がりすぎないようにし、夕方以降はしっかり閉じて熱が逃げないようにすると植物が傷みません。

水やり
水やり
tsarev igor/Shutterstock.com

冬の栽培で植物を枯らしてしまう原因の一つに水のやりすぎが挙げられます。

これは、土の中に過剰な水分が与えられることで植物の根が腐ってしまうためです。

また、夜間や朝方に水やりをすると、水が凍って根を傷つけてしまう恐れがあります。冬の水やりは、比較的気温が高い昼間に行うようにしましょう。

また、温室に暖房を入れていたり、エアコンを使っている室内では湿度が低くなることがあります。

冬が苦手な植物は熱帯雨林のような湿度が高い環境を好むものも少なくないので、そうした植物を管理する際は加湿器で湿度が下がりすぎないようにしたり、霧吹きで植物全体を軽く湿らせる葉水を行うとよいでしょう。

過湿や葉水の際に、土が湿りすぎないように気をつけてください。

しっかりと対策して冬越しをしよう!

9nong/Shutterstock.com

いかがだったでしょうか。植物の栽培において冬越しはとても重要です。

適切な環境で冬越しをするためには、温室などを使うことも一つの方法でしょう。

観葉植物の中には寒さを嫌うものが少なくないので、温室をうまく使いこなして長く育てたいものです。

メリットやデメリット、注意点を理解し、しっかりと対策をしたうえで冬越しをしましょう。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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