1. トップ
  2. レシピ
  3. 食欲の秋もこれが原因!? 寒くなってくると食欲が増すワケ

食欲の秋もこれが原因!? 寒くなってくると食欲が増すワケ

  • 2021.10.17

だんだんと日が短くなり、気温が下がってくると体は食べ物で補おうとする。栄養士であり、オーストラリアの食品ブランドUNCLE TOBYSのアンバサダーを務めるキャサリーン・アローム氏が、冬に元気の出る食物を欲する本当の理由を教えてくれた。オーストラリア版ウィメンズヘルスより詳しく見ていこう。

寒くなると本当に食欲はアップするの?

寒くなると体から熱を逃がさないようにするためにエネルギーを余分に消費する。これは気温の低下と摂取カロリーの増加の相関関係を示しているが、その影響は大きくはなく、他にも原因がありそう。

サーカディアンリズム(体内時計とも言う)は、約24時間周期の体内サイクルで、空腹感やホルモンの調整など重要な機能をつかさどっている。日照時間が制限される涼しい季節には、皮膚や粘膜などの分泌腺が反応してメラトニンを多く分泌する。メラトニンは脳に休息時間だという信号を送り、睡眠に影響を与えるホルモンで、日中にだるさや疲れを感じやすくなる。

問題なのは、メラトニンの濃度が高くなると、インスリンやグレリン、レプチンなどといった主要な代謝ホルモンの働きが活発になり、食欲に影響を及ぼすこと。寒さやストレスと相まって、疲れを感じたときはすぐにエネルギーを高めてくれる、エネルギー密度の高い食品を欲することがある。

また、日照時間が短くなると、セロトニンというホルモンが急激に減少し、気分が悪くなることがある。炭水化物を多く含む食品はセロトニンの生成を促進する。ゆえにすぐに気分を高めたいときにポテトチップ一袋を食べて、癒やしの時間を求めてしまうのは自然なことだと言える。

そういった生理学的な変化に加え、気温の低下は屋外での運動機会の減少を意味する。誰でも外に出てランニングするより、ソファでネットフリックスを見ながら、ホットチョコレートを飲むほうがはるかに快適なオプションなのだから。必然的に、室内で過ごす時間が増えれば、食べものがより身近になり、気づけば間食してしまいがちになる。

寒い時期のカロリー上昇を最小限に抑えるには?

炭水化物が食べたくなっても、体によい食材を使った季節の食材であれば、快適な気分でいられる。朝食、昼食、夕食を食物繊維を多く含んだ全粒粉の食品にスイッチしてみよう。

オーストラリア穀物・豆類栄養協議会によると、オーストラリア人のほとんどは毎日パン、朝食用シリアル、パスタ、米などの「コア・フード」を食べているが、全粒粉を使用しているのは約30%に過ぎず、食物繊維は最大3倍、鉄や亜鉛などのミネラルは80%多く含むその健康効果を享受できていないそう。胚芽やふすまを取り除いた精製穀物とは異なり、全粒粉はビタミン、ミネラル、ポリフェノール、ヘルシーな脂肪、豊富な食物繊維など、多くの必須栄養素や生物活性物質を含む。成人であれば、1日の全粒穀物摂取量を48gを目標にするとよいそう。

寒い時期に全粒穀物の摂取目標を簡単に達成するには、精製された朝食用シリアルや、精白パン、普通の麺類、白米、塩味クラッカーなどをやめて、オートミールを使ったおかゆにフルーツやヨーグルトを添えたものや、ポーチドエッグを添えた多種の穀類を使ったマルチグレインパン、食物繊維が豊富な豆類を使った温まるスープ、大麦を使ったかぼちゃたっぷりのリゾットなどを食べるといい。どうしても食欲が収まらないときは、オーツ麦ベースのミューズリーバーや、玄米を使ったクラッカーにナッツバターやフムスなどのタンパク質を加えたものなど、繊維質の多い全粒穀物を選ぶようにしよう。大切なのは、血糖値を安定させ食欲を抑えるために、低脂肪のたんぱく源と良質な炭水化物を組み合わせること。

また、可能な限り日中は外に出て、肌を露出して日の光を浴びることで、ビタミンDやセロトニンを増やし、気分を高めることができる。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Nikolina Ilic Translation: Asami Akiyama

元記事で読む
の記事をもっとみる