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手に届く憧れを叶える、洋菓子店〈SAVEUR〉の魅力。

  • 2021.9.26
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誰もが郷愁を覚えるバターケーキ。懐かしさはそのままに、軽やかに口どけよく作り上げたのが〈SAVEUR〉のお菓子です。開店から1年。老若男女から愛される洋菓子店に育っています。9月17日(金)発売Hanako特別編集『ケーキ、焼き菓子、おやつを買いに。』よりお届け。

すーっと体になじんで、また食べたくなるケーキ。

清潔感あふれる店内。ケーキが並ぶステンレスのケースには、大きな保冷剤が仕込まれていて、ガラスの箱の中はプチ冷蔵庫のようになっている。

シンプルで着心地がよく、長く着られる日常着を提案する〈YAECA〉が、洋菓子店〈SAVEUR〉を開いたのは2020年10月のこと。田園調布の駅近く。緩い坂道を下った角にある、ガラス張りの白くかわいい店は、たちまちスイーツ好きのハートをつかみ、ほんわか静かなブームを巻き起こしている。パティスリーでもなく、「洋菓子店」とわざわざ冠しているのには訳がある。この店、かつてはどこの町にもあった、みんなに愛される洋菓子店のイメージで作られた。誰の心にもある「手の届く」憧れ。それを具現化したのがこの店だ。

常時3種あるガトー・ア・ラ・クレームのひとつ、バニラ1個572円。口どけがよく、すっと消える。
ガトー・オ・ブール1個345円。ホールはφ15cm 2,052円、φ 18cm 2,808円。いい香りだ。
マカロン1枚248円。フランス・バスク地方の伝統菓子を〈YAECA〉風に。ほろっと素朴な味わい。

お店に並ぶのは、繊細に構築されたデコラティブなものではない。日本人に合う素朴な洋菓子、シンプルの極みのような「ガトー・ア・ラ・クレーム」に「ガトー・オ・ブール」、そしてサブレ。決して特別な日のお菓子ではなく、ごくごく日常的な味わい……ではあるのだが、シンプルほど難しいものはない。表向きさりげないが、中身は決して単純ではない。選りすぐった材料を用い、愚直なまでに丁寧に手をかけている。

ガトー・ア・ラ・クレームは、焼き上げた生地にバタークリームを挟み、周囲にも施した、簡単にいうとクリームサンドケーキだ。バタークリームというとちょっと重たい印象だが、〈SAVEUR〉では驚くほど軽やか。この上なく口どけが滑らかで、すーっと消えていく。クリームだけでなくスポンジ生地もさらっとしているので、ひと口食べればまた次と、どんどん食べ進んでしまい、気がつけば、あら、もうない。そんな感じなのである。しかも誰もが好きな味。無敵のケーキである。種類はバニラとモカが定番。季節によりパッションフルーツを使ったジュアンやラム酒入りのラムなどがお目見えする。ガトー・オ・ブールはバターケーキ。しっとり、ふわっとしていながら、意外と食べごたえあり。

包装紙やショッパーの絵は牧野伊三夫さんの作品。アーティスティックだけど、ほのぼのと温かみが。

ケーキはもちろん、ディスプレイも簡潔で、スタッフの清潔で誠実な有り様に、客は皆、「いい店に来たな」という気に。リピート必至である。

〈SAVEUR(サヴール)〉/田園調布

一口食べれば、上質な材料で丁寧に作られていることがすぐわかる。ガトー・ア・ラ・クレームの種類は、現在バニラ、モカ、ラム。ホール3,024円~。地方発送可。
東京都大田区田園調布2-51-1
03-5483-0071
10:00~19:00 水休

(Hanako特別編集『ケーキ、焼き菓子、おやつを買いに。』掲載/photo:Yoichi Nagano text:Michiko Watanabe)

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