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【前田敦子、30歳】結婚も仕事も。固定観念に縛られない生き方<後編>

  • 2021.9.25

―結婚に対するイメージも、実際にする前とした後では変わったのでしょうか。

「やっぱり結婚するときはまだ年齢的にも若かったし、『結婚ってこういうもの』という自分の思い描く理想で、自分のことを縛っていたところがあったように思います。それに子育ても『“自分が”頑張らなきゃ』と意地を張っていたような……。固定観念に縛られるのではなく、パートナーシップや結婚についてもっと気楽に考えても良かったのかもしれないなって、離婚したから今だからこそ言えます。だから今の家族のかたちが一番落ち着くし、離婚は決してネガティブなことじゃないと思えています」

―「結婚/離婚したらこうすべき」というルールは、世間が勝手に作り出している幻想の部分も大きいかもしれませんね。

「それは大きいですよね。その幻想によって、自分のことを苦しめてしまうのは勿体ないと今では思います。例えば、元夫とは『お互いに新しい恋人が出来たとしても、今の私たちならオープンに話し合えるよね』という話もしますし、今はなんでも共有できる仲。相手の幸せは祝福したいですね。私自身は、今恋愛はしていません。恋愛ってエネルギーを使うじゃないですか……。いつまで経っても私にとって、男の人という生き物は難しい相手です(笑)。恋愛って仕事の疲れとはまた別の疲れを伴うので、今はまだそこにエネルギーを使わなくていいかな。でも、いつ何があるかはわからなくていいよねとは思っていますよ」

―その恋愛解禁の時期も、別に人が決めることじゃないですから。その人それぞれのタイミングがありますよね。

「シングルマザーで仕事をしていると、まだまだ“自由人”だとか“自分勝手”だという印象を持たれることがあると私自身が感じています。でも私にとって、自分に何があろうと子供をほったらかしにするなんてあり得ない。例えばこの先誰かと恋愛をするとしても、子供ありきであることだけは間違いない。仕事に対しても、“子供がいるから頑張れる”というモチベーションに自然と切り替わりました。家族の協力を得ながら仕事をしていますが、一番大切なのは息子が笑顔でいることです」

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―お子さんの存在が、大きな心の支えになっているのですね。具体的には、仕事中どんなときにお子さんのことを考えるのでしょうか。

「いつも息子のことは頭にありますね。春から野田秀樹さん作・演出の舞台『フェイクスピア』に取り組んでいました。自分にとってはプレッシャーも大きなお仕事で、セリフを間違えないようにしないと……などと不安に思うことも多く、日々追い込まれていたのですが、そんなときに踏ん張れたのは息子のことが頭にあったから。『将来子供が大きくなった時に、何を残してあげられているか』という想いがエネルギーになっています。昔から仕事は好きだけれど、今は頑張る理由が明確に見つかったという感じです」

―それまでのモチベーションと変わったんですね。

「子供が生まれる前や、そのもっと前の独身の頃は新宿二丁目で飲むことや友達とのカラオケでストレスを発散していて、よく行っていました(笑)。今は休みの日にはとことん息子と一緒にいたいし、仕事の時は集中する。メリハリがつきましたね」

―お子さんは、前田さんのお仕事について認識しているんですか。

「仕事現場で、カメラに映っている様子などを見ているので映像の中に映る仕事だと言うのは理解しているようです。AKB48の映像を見せたこともないのですが、テレビに映ると『ママ!』って言うんですよね。私の両親が見せているのかな? 息子は私の両親や元夫とも頻繁に会っているけれど、基本的に日常は私と二人の世界。私が、お母さんでもあり仕事をする人でもある、という姿を見せてわかってもらっている段階です。自分で決めた道だからこそ、『私なんて……』って自分の限界を決めないようにしています。誰でも、どこまでできるかはやってみないとわからない。だからこそ、悩んでいるならば『やってみればいいじゃん!』と思っちゃうタイプ(笑)。ただ子育てだけは、一人で抱え込むのは無理だとわかりましたね。周りに助けてもらうのも息子のためだと思っています」

―今はお仕事も、すごく良い方向に進んでいるのですね。今、仕事をしていて一番楽しいのはどんなときですか。

「自分にとってすごく勉強になる仕事がこれから先もしばらく目白押しですね。あとは今作っているフォトブックも、すごく気持ちを込めているもの。納得いくものを作りたくて、時間をかけさせてもらっています。若い頃からこの世界にいるので子供扱いされてきた時代もあったけれど、最近は打ち合わせでも対等にお話しさせてもらえるのでどんなお仕事もやりがいがあります。仕事に対する情熱って、30代になったら落ち着くものかなと思っていたんですよね。でも実際30歳を迎えてみたら全く逆でした。これからの方がやれることややりたいことがたくさんあると思える。自分で信頼関係を築いて、良いお仕事をたくさんしていきたいですね」

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撮影/榊原裕一 モデル/前田敦子 ヘアメイク/高橋里帆(HappyStar) スタイリング/安藤真由美(Super continental) 取材・文/平井莉生

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