1. トップ
  2. ダイエット
  3. 腸を元気にしたいなら、カロリーを十分摂って!

腸を元気にしたいなら、カロリーを十分摂って!

  • 2021.9.20

このたび発表された論文によると、低カロリーの食生活は腸の健康を阻害して、下痢や大腸炎などの胃腸障害をもたらす可能性がある。1日を通して十分なカロリーを摂取するのは、腸内細菌の健康だけでなく、アクティブな生活を続けるためにも大切なこと。詳しく見ていこう。

食事の中身は腸の健康に明らかな影響を与えるけれど、科学情報誌『Nature』掲載の新たな論文によれば、食べる“量”も考慮するべき要素の1つ。しかも、どうやら食べる量は、少ないよりも多いほうがいいみたい。

この論文によると調査チームは、やや体重過多~ひどく肥満の高齢女性80名を2つのグループに分類した。1つ目のグループは医師の管理下で1日800kcalのミールリプレイスメント(シェイク)プランを16週間続け、2つ目のグループ(コントロール群)は普段の生活と体重を同期間キープした。調査期間の最初と最後には、全員に対し腸内細菌の検査が行われた。

16週間後、コントロール群の腸内微生物の種類は、調査開始時点と変わらなかった。でも、低カロリーの食生活を送ったグループの腸内微生物の種類には、顕著かつ悩ましい変化が見られた。

低カロリーダイエットのグループの腸内細菌は、生き延びるために糖分子の吸収量を増やすようになっていた。その結果、腸内に有害な菌種が増えてしまった。下痢や大腸炎(結腸の内膜の炎症)を引き起こすクロストリジウム・ディフィシルと呼ばれる細菌は特に増加。米国疾病管理予防センターによると、この細菌の駆除には定期的な治療を要する。

この結果は意外でも何でもない。公認管理栄養士で栄養カウンセラーのクリスティン・ガレスピーによると、私たちが摂取する食べものは、腸内の善玉菌のエサの一部。

「私たちが摂取する食べものは、腸内細菌のエサにもなります。だから、食べものの種類と量は、腸内微生物の構成と健康に大きく関係するのです」

リバウンドは今回の調査対象ではなかったけれど、これまでの研究結果は、リバウンドも大きな問題を引き起こす可能性があることを示している。カロリーカットで急激に体重を減らしてからカロリーの摂取量を元に戻せば、体重は当然増える。でも、この体重の中身と、ダイエットを始める前の体重の中身は違う。ガレスピーが言うように、ダイエットで減らすのは脂質と筋量で、リバウンドで増えるのは主に脂質。だから、ヨーヨーダイエットを繰り返していると、筋量が減り続け、身体組成に大きな問題が生じかねない。

1日800kcalでアクティブな生活を支えるのは到底不可能。では、実際どれだけのカロリーが必要かというと、1日1,500kcalでも足りない可能性がある。

正確な数字は、さまざまな要素(性別、年齢、体重、運動量)によって変わる。2015~2020年の米国食事指針によると、いまの体重を維持するために必要なカロリーは、アクティブな男性で1日3,000kcal、アクティブな女性で1日2,400kcal。でも、栄養士の力を借りて、“あなたにとって”最善のカロリー量を調べてみる価値はある。

※この記事は当初、アメリカ版『Bicycling』に掲載されました。

※この記事は、ランナーズワールドから翻訳されました。

Text: Elizabeth Millard Translation: Ai Igamoto

元記事で読む
の記事をもっとみる