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【書評/今月のイチオシ】韓国時代劇を面白くさせる「朝鮮王朝の歴史と人物」

  • 2021.9.18
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韓国では歴史好きの国民性を反映して時代劇の放送がとても多い。その中でも、『宮廷女官 チャングムの誓い』や『イ・サン』や『トンイ』などが傑作として評価されていて日本でも人気が高い。

ただし、韓国時代劇をさらに楽しむには、やはり朝鮮王朝の知識が不可欠だと言える。それゆえ、多くの時代劇ファンが韓国の歴史の解説書を必要としているのではないだろうか。

そんな需要によく適しているのが、「新版 知れば知るほど面白い 朝鮮王朝の歴史と人物」(康熙奉〔カン・ヒボン〕著/実業之日本社発行)である。

この本では、朝鮮王朝を説明するときに、実際のドラマで描かれている内容を補足するように歴史を解説してくれる。その結果、読者はドラマの興味を広げる形で歴史について学んでいける。

「新版 知れば知るほど面白い 朝鮮王朝の歴史と人物」(康熙奉〔カン・ヒボン〕著/実業之日本社発行)
国王や英雄などの人物像

特に、『100日の郎君様』『ヘチ 王座への道』『不滅の恋人』『仮面の王 イ・ソン』『王になった男』といった最近のドラマも数多く取り上げているので、より臨場感を持って歴史にアプローチできると思われる。

康熙奉(カン・ヒボン)氏はこれまで韓国の歴史シリーズの執筆でよく知られている。その著者が「韓国時代劇で描かれるストーリーのフィクションと史実の違い」を細かく説明してくれる。それによって、時代劇をより多角的に受け入れることが可能になっている。

また、ドラマによく登場してくる国王や英雄などの人物像がコンパクトに語られており、ドラマの主人公が史実でどう生きたかを知ることもできる。

合わせて、朝鮮王朝の制度や暮らしもわかりやすく説明されている。こうしたプラスアルファは歴史を総合的に捉えるうえで有効だ。

韓国時代劇を紹介する本と言えば雑誌やムックが多くなっているが、その場合は作品紹介が主体となっていて、歴史そのものの解説は少ない。それだけに、本書は新書というスタイルでじっくりと読めるし、朝鮮王朝の歴史を知るうえで役に立つ一冊になっている。

文=韓ドラ時代劇.com

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