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すでに顔がヴィンテージ。還暦越え最強コンビ「BBA」のおしゃれを語る。

  • 2021.9.17
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「還暦を すぎても着てやる ロックT 命短し 着飾れBBA」――。「BBA」と書いて「ババア」と読む。

本書『ババアに足りないのは愛! +60からのHappyおしゃれBOOK』(集英社)は、スタイリスト・地曳いく子さん×漫画家・槇村さとるさんの大人気シリーズ「BBA」第3弾。

第1弾『ババア上等! 余計なルールの捨て方 大人のおしゃれDo!&Don't』(2016年)では何を着たらいいのか洋服選びに迷える大人女子の疑問に答え、第2弾『ババアはつらいよ アラカン・サバイバルBOOK』(2018年)ではアラカン(=還暦前後)女子が陥りがちなおしゃれと悩みに過激に寄り添った。

タイトルの「ババア」にぎょっとしたが、ともに還暦を越えた地曳さん×槇村さんは「口は悪いが、ハートは熱い」。最強コンビが60歳からのおしゃれを語り、全大人女子の悩みを一刀両断する。

BBAのHappyスタイル

「BBA」について、「ババア」のほかに「Beautiful Brilliant Age」という解釈も紹介している。美しくキラキラするには「手間のかかるお年頃」。それでも、手間暇かけてきれいになる。そんな「ちょっとしたことにこそ、気分が上がるお年頃」なのだという。

「村上春樹先生の『小確幸』(中略)ですよね。小さくささやかだけれど確かな幸せ。それを積み重ねていくことが大切かなと。(中略)それこそが、BBAのHappyスタイルですね」

「60歳からのおしゃれ」がテーマだが、しっとり落ち着いた雰囲気とはかけ離れている。ざっくばらんな文と味のあるイラストで、ファッションの参考になりつつ読み物としても面白い。おふたりが「BBA」を楽しんでいる様子が伝わってくる。

■目次(抜粋)

特別対談 祝! 還暦トーク
PART1 ファッションは愛!
(似たような服ばっかり買っちゃう。それ、大正解です!/人まねで大失敗しちゃうアイテムは? ほか)
BBAの必修科目1 IKUKOの「大人のメガネ選び」
PART2 BBAおしゃれのさじ加減
(すべては「さじ加減」と心得て/処分の4大原則教えます ほか)
BBAの必修科目2 SATORUの試着力
PART3 BBA着痩せのアンサー
着痩せの基本(サイズ選びと着丈で着痩せ/バストタイプで着痩せ ほか)
番外編 メイクで小顔、マスクで小顔
PART4 ファッションも美容も健康も! 還暦問題あるある
(「家の中で赤いリップ」問題/「マスクと美容」問題 ほか)
特別対談 BBAからOB-3へ!

ミルフィーユを作り続けること

ここでは、「BBAは小さなおしゃれをミルフィーユにする」を紹介しよう。

年齢を問わず、アップデートしてトレンドを取り入れることは大事という。ただ、一気にする必要はない。「BBA世代にとって、大変身は負担が大きすぎるのです」。そこで......

「ほんの小さなことでも、たった一つでもアップデートして、ミルフィーユを作り続けることが大切です」

たとえば、最近流行りのビッグシルエットのようにシルエット自体がアップデートされたものの場合、それで十分。色やディテールはベーシックでOK。

「おしゃれな人は印象に残る人」とある。自分の得意分野(メガネなど)にお金と愛を使ってアップデートするだけでも、印象は変わるという。

ちなみに、「服はアップデートして、バッグやストールは大事に使うのが、ファッション愛のあるBBAのおしゃれ」とも。ヴィンテージとして昔の服を着るのはNG行為のようで......

「私たちはすでに顔がヴィンテージ。だから服までヴィンテージでは、化石のような人になってしまいます」

本書は、おふたりのファッション愛を全身に浴びるような1冊。アラカン以外にもおすすめ。小さなアップデートと小さな幸せを重ねて、自分のミルフィーユを作っていきたいものだ。

最後に、年齢にとらわれてファッション迷子になっている人へ。

「『そんな格好をして年がいがない』とか、『60歳に着るべきものは?』とか、そんなことに従わなきゃいけない時代は終わりました。もうね、好きなものを着ちゃって、ハッピーに過ごしましょうよ。限りある人生、他人に迷惑をかけたりしない限りBBAは自由に着飾りましょう!」

■地曳いく子(渡辺いく子)さんプロフィール
1959年生まれ。スタイリスト。文化学院専門課程美術科卒業。「non・no」をはじめ、「MORE」「SRUR」「Marisol」「eclat」「Oggi」「FRaU」「おとなスタイル」などのファッション誌で30年以上のキャリアを誇るスタイリスト。現在はスタイリングのみならず、洋服のプロデュースからテレビ、ラジオと幅広く活躍中。著書に『50歳、おしゃれ元年。』『若見えの呪い』(ともに集英社)、『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)など。

■槇村さとるさんプロフィール
1956年生まれ。漫画家。73年「別冊マーガレット」4月号『白い追憶』でデビュー。代表作『愛のアランフェス』、『ダンシング・ゼネレーション』、『おいしい関係』、『Do Da Dancin'!』、『Real Clothes』など。スポーツや仕事を通じて「女性の生き方」を描いた作品を発表し続ける。また、『一生使えるファッションノート』(ポプラ社)、『新50代は悩み多きお年頃』(光文社)など、著作多数。現在「ココハナ」で『モーメント 永遠の一瞬』を連載中。「BBA」シリーズのイラストを担当。

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