1. トップ
  2. G’s FILM REVIEW 第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』etc.

G’s FILM REVIEW 第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』etc.

  • 2021.9.16
  • 404 views

9月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする映画をご紹介。

子供はわかってあげない

田島列島の同名人気コミックを『南極料理人』や『横道世之介』で知られる沖田修一が監督、ふじきみつ彦が脚本で映画化。高校の書道部のもじくんと仲良くなったことをきっかけに、水泳部のサクタさんはうっかり生き別れの実父探しをすることに。サクタさんを上白石萌歌が、もじくんを細田佳央太が好演。原作ファンのひとりとして、マイペースに鋭い新感覚の空気をそのままに、最高の夏休み映画に昇華してくれてありがとう!と心で叫んだ。

全国公開中。
©2020「子供はわかってあげない」製作委員会 ©田島列島/講談社

ドライブ・マイ・カー

村上春樹の短編小説集『女のいない男たち』に収録された短編「ドライブ・マイ・カー」を、濱口竜介の監督・脚本で映画化し、第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した本作。愛する妻が秘密を残したまま他界し、喪失を抱えながら生きる舞台俳優で演出家の家福悠介が、参加した演劇祭で専属ドライバーのみさきと過ごすことで、自らの傷に気づく。耐え難い痛みも、会話しながら変化する感情も、現実と地続きのものとして流れ込んでくる。

全国公開中。
©2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会

アナザーラウンド

「血中アルコール濃度を常に0.05%に保つと仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」というノルウェーの哲学者の仮説を証明するべく、冴えない高校教師と同僚3人が、ほろ酔い状態で働く実験を描く。『偽りなき者』の監督トマス・ヴィンターベアと、脚本トビアス・リンホルム、主演マッツ・ミケルセンが再タッグした本作は、第93回アカデミー賞国際長編映画賞を受賞。アルコールは人生をスムーズにもするし破壊もする。肝に銘じて楽しみたい。

全国公開中。
©2020 Zentropa Entertainments3 ApS, Zentropa Sweden AB, Topkapi Films B.V.& Zentropa Netherlands B.V.

GINZA2021年9月号掲載

元記事で読む
の記事をもっとみる