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塾に行ったら自然と成績アップなんてことはない!?中学受験に必要な家庭学習を進めるコツ

  • 2021.9.10

中学受験を行うと決めて入塾させ、これで成績は安泰だと思っていたら中々成績が上がらない、もしくは逆に下がってしまうなんてことがあります。毎週塾に通い宿題をこなすだけでは、成績向上にはつながりません。

塾に通う、通わないに関わらず成績をあげていくためには、どうやって取り組んでいけばいいのでしょうか。

受験に欠かせない偏差値について、正しく知っていますか?

受験を行い成績が向上しているかを知る基準となるのが偏差値です。まずは偏差値について正しい知識を持っておきましょう。

偏差値とは、テストを受けた集団の中でどのくらいの位置にいるのかを表した数値です。平均点を偏差値50とし、その基準からどのくらい高い、もしくは低い点数だったかが表され、実力を相対的に把握するものです。

同じ点数を取っていても、母体が異なり平均点が違えば偏差値は全く違うものになります。幼稚園生ばかりの集団と東大生ばかりの集団でテストを受けたとすると、点数が同じでも偏差値は全く異なります。幼稚園生の中では高い偏差値を取れるでしょうし東大生の中ではその逆となるでしょう。

また、平均点を基準としてその差を測るものなので、みんなが同じ様な点数を取った場合、極端なケースでは1位であっても偏差値が50ということにもなりえます。計算上は偏差値100やマイナスということもあり得ます。

100人が受けたテストで99人が0点、1人が100点という場合だと0点の人はマイナス49、100点の人は149.5となります。しかし、現実にそういったことはまずないので、一般的なテストでは通常25~75の範囲に収まります。

受験生向けの模試は様々な種類がありますが、たくさん受ければ良いというものではありません。母体が変われば偏差値も変わるため、バラバラに受けていると成績の推移を判断することができません。

違う模試を受ける場合は、目的を明確にしておきましょう。また、テストを受けた人数が少ない場合にも注意が必要です。とても高い偏差値が出たからと言って、急激に成績が上がったとは言い切れません。偏差値で成績を比較したいなら、テストを受けた人数やどのくらいの学力レベルの人が受けるテストなのかを確認し、なるべく同じテストを受け続けることで見ていきましょう。

同様に、中学受験と高校受験の偏差値を比べる際も注意が必要です。高校受験は中学卒業生の内約97%が行います。それに対し中学受験は約8%、首都圏でも約19%であり5人に1人です。ほぼ全員が受けるテストと、学校以外の勉強をしている子が受けるテストでは母体が異なるため単純に偏差値で比較することができないということが分かります。

高校や大学受験でイメージしている偏差値をそのまま中学受験に当てはめることはできないのだということを理解しておきましょう。

実際、中学受験公開テストでは偏差値37だった子が同時期に受けた小学生テストでは偏差値61という結果になりました。小学生テストは全国の小学校で採用されているため、受験を予定していない子、勉強が得意ではない子も受けています。その中で平均点以上を取れたということですね。

同様に中学受験公開テストは中学受験を目指す子だけが受けており、この子はまだ入塾前で受験勉強もしていなかったため平均点を取れなかったということです。この結果を見ても、偏差値を考える際に母体の人数やレベルを把握していることが大事だということがよく分かるでしょう。

家庭学習する際のポイントとは

塾に通うだけ、宿題をこなしているだけ、では残念ながら成績は上がらないでしょう。偏差値を上げるために、勉強とは何かを理解し、やるべきことを見ていきましょう。

その前に、小学生が行う「勉強」とはどんなものでしょうか。ドリルや宿題をこなしたら終わり、ではないですか?少し踏み込んで丸付けを行い「これが合っていてこれは間違えた」というところまでやる子もいるかもしれませんが、そこで終わっては、成績は上がりません。

小学生の約7割は丸付けだけをして間違えた問題を放置しているのです。逆に言えば、間違えた問題を放置せず解ける様に練習をすれば成績は上がるということです。どのように勉強を進めたら良いのでしょうか。

・宿題は全てやらない

塾の宿題は、塾によるかもしれませんが量が多いことが普通です。難易度も、基本・レベルアップしたもの・難問という様に様々です。

しかし、集団塾であれば、レベルによってクラス分けされる場合もあるかもしれませんが、子どもによって偏差値も理解度も違います。それなのに同じ量・同じレベルの宿題を全員が同じ様に行うことは効率的ではありません。

宿題が出ると「必ず全部こなさなくては」と思ってしまいますが、全て終わらせるという固定概念を捨てましょう。

「宿題を全て終わらせたが、時間の都合で丸付けまでしかできなかった」場合と、「宿題は半分しかやっていないが、間違えたところの解説をしっかり理解し解けるまでやった」という場合では、知識の定着度が全く違います。

それどころか、丸付けまでしかしていなければ、あまり意味がないとも言えるでしょう。

・間違った問題をできるようにする

宿題でもテストでも、終わった後に間違えた問題の対策をすることが大切だと分かりました。

間違えた問題・できなかった問題が最初は10問あったとすると、次は7問、その次は4問というように減っていくはずです。全てができるようになるまで繰り返しましょう。

できた問題は「既に理解している」「知識として身に付いている」ものなので、何度も解くことは時間の無駄です。間違えた箇所にシールや付箋を貼る、間違えた問題だけ別のノートにまとめる、などすると効率良く取り組むことができます。

特に「間違えノート」は東大生の勉強法でも取り上げられる程効果が高く、オススメです。自分の苦手とする部分・理解が曖昧な部分だけが書いてあるので、テスト前の対策も効率良く行うことができます。

・分からないところを探る

間違えた問題を何度も解いてみるのは良いですが、何が分かっていないかを分からずに闇雲に回数を重ねていて分からない原因を見つけないと、同じところを間違えることになってしまいます。

中学受験で出る問題は複数の知識を駆使して解くものが多く、どこでつまずいてどこを理解していないのかを把握しなければ次に同じ様な問題が出た時に対応できないのです。

原因を見つけるには、親が手助けをしながら地道になぜ?なぜ?と辿っていくしかありません。

例えば算数であればただのケアレスミスなのか、基本の計算方法が定着していないのか、問題文の内容が理解できていなかったのか、などで対策が全く異なります。基本の計算ができていなければ学年を下げてでも基本をやり直す必要がありますし、問題文の理解不足であれば一緒に線などを引きながらゆっくり読む練習をする、などができますね。

親が勉強を教える必要はありませんが、子どもがどこでつまずいているのかを把握してサポートしていくことが重要となるのです。

小学生が自立学習するためには

塾に通っていても家庭で勉強することが大切だと分かりました。塾にも通っていなくても、自宅で勉強してくれたら親は嬉しいですよね。

自立学習ができる子はどのくらいいるでしょうか。「自分で計画を立て進んで勉強する」という小学生は25.5%で約4人に1人でした。「時々声をかければ勉強する」という小学生は最も多く46.9%、「勉強しようという意思は低く、毎回声をかけて勉強させる」は22.4%、「声をかけてもなかなか勉強しな」は4.1%でした。

※明光義塾 通塾小学生アンケート

自ら勉強する子もいますが、中高生と異なり勉強習慣のない小学生にとって、毎日家庭で勉強に取り組むというハードルはとても高いものです。受験への向上心を高く持ち、真剣に取り組むという強い意識を身に付ける必要があります。

仮にそういう気持ちを持っていても、長い受験勉強期間ではモチベーションが下がることも多くあるでしょう。小学生の子どもがストレスなく前向きに勉強に取り組むためには、親のサポートが必要不可欠です。どんなことに気を付けたら良いのでしょうか。

・自己肯定感を持たせる

「勉強が嫌い」、「親にやらされている」、「怒られるのが嫌だから仕方なくやる」といったマイナスなイメージを持っていれば、自ら勉強に取り組むことは難しく、仮に自ら行ったとしても勉強の効果は低くなる可能性があります。

勉強に嫌なイメージを持つと、受験が終わった後は勉強しないということにもなりかねません。そもそも勉強とは、受験のためにやるものではなく子どもの成長を望んでのことであるはずです。

勉強してほしい気持ちが高じるとしない時に怒ったり責めたりしてしまいがちですが、これはかえって逆効果となります。やる気を引き出すためには「やればできる」と自分を高く評価できる自己肯定感を持たせましょう。

毎日取り組んでいることを認めてあげるだけで十分です。「〇ページまで勉強したんだね」「解けるようになるまで頑張ったね」など些細なことで良いので褒めましょう。「今日も塾に行けたね」なども時には認めて声をかけてあげましょう。

・目標を共有する

受験を行う上では、早いうちに受験を自分ごととしてとらえられることが必要です。最初は志望校についてピンとこないかもしれませんが、なぜ受験をするのか、志望校に入学するとどんないいことがあるのか、など具体的なイメージを子どもが持てるようにしましょう。

親子で共通の目標を持つことが最初の一歩です。勉強へのモチベーションが下がった時にも、この軸がぶれなければまた前を向けるはずです。親の押し付けではなく、子ども主体で同じ目標を持って共有しましょう。

・成長に寄り添う

受験勉強に取り組む時期は、「10歳の壁」などと言われる様に子どもが親へ素直になれないことの多い時期です。そこからぶつかることもあるかもしれません。しかし、それも成長の1つの過程です。

そして、子どもが本気になれば驚くほど色々なことを吸収し伸びる時期でもあります。何に興味を示しどこが伸びているのか、しっかりと観察してプランを組み立ててあげましょう。性格や進捗状況を読み取り、個性を活かした勉強方法を選択します。無理難題を押し付けず、子どものペースに合わせていくことが大切です。

塾では勉強を教えてくれますが、決まった時に決まった単元を行いますのでそれぞれが理解しているかまでは把握してくれません。宿題やテストの答え合わせ・解説もほとんどやらないようです。

家庭でできることは、習ったところで理解していないのはどこか、解説を見ても分からなく先生に聞く必要があるのはどこか、などを把握して対策することです。高校生であれば子ども本人が対応できるでしょうが、小学生には難しいでしょう。

塾に通わせる前に考えていた以上に、親が進捗確認まで介入する必要があると実感しています。大変ではありますが、把握していないところを見つけ対策を行い、できるようになった時の子どもが嬉しそうなのを見るとこちらも嬉しくなりますし、やりがいも感じます。

偏差値が全てではないですが、偶然ではなく頑張った結果として良い成績を取れると嬉しいものです。成績をあげるために必要不可欠な親のサポートと家庭学習、大変ではありますが参考にしながら取り組んでいただけたら嬉しいです。

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