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うつリスクが12倍? 8割のうつ病患者が持つたんぱく質「シス」とは?

  • 2021.9.6
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新型コロナウィルスの影響もあり、うつ病患者の数が世界中で2~3倍に増加しているという。一方で、「うつ病は甘えだ」「病気ではない」など心ない言葉を耳にすることも多く、「心の弱さ」が原因だと考えている人もいる。しかし、最近ではうつ病の原因となるウイルスがあるという研究結果も出ている。

2021年9月2日『うつ病の原因はウイルスだった! 心の病の最新知見Q&A』(扶桑社)が発売された。

著者の東京慈恵会医科大学の近藤一博教授が率いるグループは、ヒトの身体に潜伏している「ヒトヘルペスウイルス6 SITH-1」というタンパク質がうつ病の原因になることを発見した。「SITH(シス)」という名称は、映画『スターウォーズ』に登場するジェダイの騎士の宿敵、「シスの暗黒卿」から名付けられたという。

2020年6月に「うつ病の原因となるウイルスの遺伝子が発見された」として話題となったので、耳にしたことがある方も多いかもしれない。

本研究によると、SITH-1抗体値が高い人はSITH-1抗体値が低い人に比べて、12.2倍うつ病になりやすいということが判明した。さらに、うつ病になる患者のうち79.8%がSITH-1の影響を受けているという。

「心の弱さ」とは関係がない

かつては「うつ病はセロトニンが不足することによって起きる」という「セロトニン原因説」が学会の常識とされ、これに基づいて開発された抗うつ約が現在多くの患者に処方されている。しかし、抗うつ薬で治るうつ病患者は約半数とされている。

うつ病の原因は様々だが、「心の弱さ」が原因だというのは誤りだ。

本書では、疲労やストレスが、ウイルスによって引き起こされるうつ病と深い関係にあることや、そのメカニズムについてマンガを交えながら解説していく。

また、疲労やストレスを軽減するための具体的な方法や、疲労を回復する因子を増やす作用のある成分・食品も記載されている。日常生活の中でうつ病の予防ができる方法を知ることができる。

自粛生活が続くことによる閉塞感や、目まぐるしい生活の中で、心の不調を感じている人も多いだろう。無理をせず、予防や改善ができる生活習慣を取り入れていきたい。

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