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ギャラリーディレクター、キュレーター・伊勢春日「アートも色も知的に取り入れる」|クリエイターたちの快適空間に潜入 vol.11

  • 2021.9.5
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ファッションやアートなど、さまざまな分野の表現者たちが作りあげたプライベートルームを拝見。もの選びの基準、色彩へのアプローチ、スペースの捉え方。それぞれが追求する“居心地のよさ”とは?

アートも色も知的に取り入れる

伊勢春日
ギャラリーディレクター、キュレーター

眺めるたびうれしくなる加賀美健のドローイングや、片岡メリヤスの脱力ぬいぐるみ。キッチュな造形がたまらない「マグマ」の照明も。ギャラリーを主宰する伊勢春日さんの自宅は、親交ある作家の作品で彩られている。

「目や心を刺激するカラーやフォルムが身のまわりにあると気分があがるタイプなので、そもそも物がすごく多いんです。ただ、ベースとなるアイテムはモノトーンが中心。ポップな色はポイント使いを意識しています」

なるほど!だから部屋中が好きな要素であふれていても、知的で上品で気持ちいい。

「壁のアートは自分で額装します。フレームの印象とサイズ感をそろえるときれいですよ」「奥行の浅い棚は優秀。ものをぐちゃっと並べても可愛くまとまるから」と、感じよく飾るためのアイデアがたくさん。

最近取り入れたのは、木+金属+ガラスという異素材を組み合わせた〈saiku〉のシェルフ。テクスチャーのレイヤーは、室内にさりげないリズムを生む。アートも家具も、ほどよい加減で取り入れるセンスが心地よさの秘訣だろう。

壁にはLAのダン・モニクの写真。ポップなテーブル付きランプはアートユニット「マグマ」の作品。奥行き15cmほどの棚には伊勢さんをモチーフにした人形など片岡メリヤスの作品も。

家具の色はニュートラル。木とガラスとステンレスのテーブルや牛革のラグは、母親の愛用品をもらったという。植物を置いたスツールは座面にハンカチやデニム地をかぶせてカスタマイズ。ソファの背面に並べたのは話題の若手アーティスト、BIENのドローイング。黒の細いフレームで自ら額装。窓の脇はビートム・スティーブンソン(上)や安部悠介のペインティング。

加賀美健の代表作[ミルクマン]。木彫りの熊との対比がユニーク! キッチュなオブジェは「マグマ」作。箱も棚横にディスプレイ。

キッチンとの仕切り壁には〈アホネン&ランバーグ〉のポスター。

加賀美健と平山昌尚が防水生地に即興で描いたレアな共作。

ステンレスの天板に合板の扉を合わせたシェルフ。すっきりした印象だが、サイドがアクリルで中の本が見えるところが好みとか。左はグラフィックデザイナーの髙田唯による切り絵。陶板のような置物は岡山のレーベル〈SHOKKI〉。

GINZA2021年7月号掲載

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