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白い空間にうつわと植物、季節で色を取り入れて。

  • 2021.9.5

世田谷の静かな住宅地に佇む3階建ての一軒家。2階のリビングに案内されると、ギャラリーのような静かな白い空間が広がる。この家に住むのは、人気セレクトショップを営む石谷唯起子だ。昨年12月、リノベーションした古いマンションからこちらに居を移した。

「飾るための場所ができたので、そこに作品や植物を置くようになりました。白い空間に、季節の花で色を取り入れています。枝ものは羽根木のマルタで、花は松陰神社前のドゥフトや、アトリエ・ふたつの月にお願いしたり、商店街の昔ながらの花屋も覗きます」

花を生けるのが難しい、口の狭い花器が好きだという。難しいからこそ、花とうつわのバランスを見ながら何度も入れ替える。作品と向き合い、光の入り方によって飾るものを変える。それが彼女の美しい日常だ。

1. 大ぶりな枝を生ける

家の中の家具の配置を考える際、まず最初に、大きな植物を飾る場所を決めることから始めたという。光と風が通るいちばんいい場所に、tenで出合った太田浩子の陶芸を置いた。手入れや掃除の大変さを考えて、土のこぼれる植栽ではなく、長く楽しめて季節を感じられる枝を生けることにした。瑞々しい葉をつけたドウダンツツジの枝が、この家にはよく似合う。辻有希のモビールが、光を浴びて心地よく揺れる。

採光のために作った窓の向こうには、小さな庭が。丸いくぼみに入れた石は、時間をかけて少しずつ河原で拾ったもの。オブジェとして飾った枯れ枝は、雨が降る日の情景も美しい。

2. 花のフォルムを楽しむ

咲いた花の美しさだけではなく、茎も含めた植物のユニークなフォルムそのものが好きだという。なので、花を生ける際に、茎を短くカットするということもしない。花の重みで徐々に頭が下がってくる、その過程も楽しい。

3. 玄関に香りの気配を漂わせる

目には見えないけど、非常にパーソナルな香り。家族が帰宅して玄関のドアを開けた時に、気持ちがほぐれるようにと、玄関先には香りを欠かさない。石のように見えるのは、エレメンスのポタリーストーンディフューザー。ミニマムな美しさで、ミヤギユカリの絵画ともマッチする。

Yukiko Ishitani|石谷唯起子グラフィックデザイナーを経て、松陰神社駅前商店街に、暮らしのものを扱うセレクトショップ、This___をオープン。その佇まいや、ものを選ぶ審美眼にファンが多い。Instagram:@this___tokyo

*「フィガロジャポン」2021年9月号より抜粋

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