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【究極ランキング】康煕奉が選ぶ朝鮮王朝時代劇ベスト10(前編/10位から6位まで)

  • 2021.9.4

韓国時代劇は朝鮮王朝を舞台にしたドラマがとても多いが、その中から特に作品性が優れていると思えるものをランキング形式で独自に選んでみた。前編は第10位から第6位までを紹介しよう。

架空の物語だが歴史上にありそうな信憑性があった
『太陽を抱く月』でイ・フォンを演じたキム・スヒョン
第10位 『太陽を抱く月』(2012年)

序盤ではヨ・ジングとキム・ユジョンという天才子役の2人が大人顔負けの演技を披露し、韓国で視聴率が爆発的に上がって大評判になった。大人の役を引き継いだキム・スヒョンとハン・ガインは凄い重圧を感じたという。そんな2人は謎めいた関係を美しく演じた。また、王の側室から生まれて王位に就けない王子を演じたチョン・イルの演技が秀逸だった。潤んだ目が哀しみをよく表していた。ストーリーは史実に基づかない架空の設定だが、大妃の陰謀はいかにも歴史上にありそうで信憑性があった。

世子と高官の対立構造がとてもリアル!
『雲が描いた月明り』でパク・ボゴムが演じた孝明世子(写真=KBS『雲が描いた月明り』ポスター)
第9位 『雲が描いた月明り』(2016年)

パク・ボゴムとキム・ユジョンの主役カップルは華があってお似合いだった。内容はラブコメの要素が強い時代劇だったが、歴史の描き方は本格派で史実をよく生かしていた。特に、頭脳明晰だったと言われる孝明世子(ヒョミョンセジャ)が権力欲の強い高官と対立していく場面は真実味があった。それにしても、パク・ボゴムの韓服姿は本当に絵になった。彼が歴史に埋もれていた孝明世子を現代韓国に颯爽と甦らせてくれた。

描き方にペーソスがある痛快な時代劇
『100日の朗君様』の制作発表会に登場した出演者たち
第8位 『100日の郎君様』(2018年)

序盤は悪徳高官による陰謀によって王宮が極度に緊張していく様子が巧みに描かれていた。結局、記憶を失った世子が生まれ変わって村の娘と夫婦になっていくのだが、ペーソスもあって痛快に物語を楽しめた。後半は再び王宮に戻っていく世子をド・ギョンスが凛々しく演じた。彼とナム・ジヒョンのラブロマンスも抒情的で好感が持てた。王宮で起こった事件を捜査する役人を演じたキム・ソノ(ソンホ)も際立つ存在感を見せていた。

低い身分の王子が難局を乗り越えていく
『ヘチ 王座への道』の制作発表会に登場した出演者たち
第7位 『ヘチ 王座への道』(2019年)

場面の切り換えがドキュメンタリーのようにテンポがよくて、新しいスタイルの時代劇を強く印象づけた。チョン・イルが演じた英祖(ヨンジョ)は、前半では出自が低い王子として苦難続きであったが、そうした苦難を乗り越えていく局面に十分な説得力があった。後半になって国王に就いた英祖が民衆のための政治を行なっていく過程もよく描かれていた。そして、ヒロインのコ・アラのハツラツとした演技もとても良かった。

視聴者の共感を得られる演出が見事
『イ・サン』で正祖を演じたイ・ソジンとソンヨンに扮したハン・ジミン
第6位 『イ・サン』(2007-2008年)

「時代劇の巨匠」と称されるイ・ビョンフン監督の会心作。冒頭で思悼世子(サドセジャ)の米びつ事件という悲劇的な史実を巧みに取り入れた脚本が素晴らしかった。同時に、暗殺の危機に怯えながら苦難を少しずつ克服しながら成長していくイ・サンの姿が頼もしかった。何よりも、視聴者の共感を得られる演出が見事だった。主役のイ・ソジンは悩める王を真摯に演じたし、ヒロインに扮したハン・ジミンの清楚なイメージも心に残った。

(後半に続く)

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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