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スケボー、バスケ…日本勢の活躍で子どもが「始めたい」と言いだしたらどうする?

  • 2021.8.26
日本最年少の13歳で金メダルを獲得したスケボーの西矢椛選手(2021年7月、時事)
日本最年少の13歳で金メダルを獲得したスケボーの西矢椛選手(2021年7月、時事)

東京パラリンピックが8月24日に始まりましたが、東京五輪(7月23日~8月8日)で日本最年少金メダリストが誕生したスケートボードや、女子チームが銀メダルを獲得したバスケットボールなどへの注目は続いているようです。日本勢の活躍に刺激を受けて、自分もスケボーやバスケットボールを始めようとする子どもたちもいそうですが、一時の熱に浮かれて始めると、すぐ飽きてしまう子もいるのではないでしょうか。

メダリストに刺激を受けた子どもたちにどう対応すべきか、子育てアドバイザーの佐藤めぐみさんに聞きました。

まずは見学や体験から

Q.五輪をはじめとする世界レベルの大会で日本選手が活躍した際、子どもが刺激されて、そのスポーツを始めたいと言いだす事例が報道されることがあります。実際にそのような傾向はあるのでしょうか。

佐藤さん「よくあることだと思います。子どもたちが物事に興味を持つプロセスは、視覚的な刺激がとても大きな役割をしますので、五輪で活躍する姿をテレビで見て興味を持つことは、当然、起こり得ることだと考えられます」

Q.東京五輪での日本勢の活躍に刺激されて、子どもが「スケートボードをやりたい」と言いだした場合、親としてはどう対応すべきでしょうか。即、教室やスケートボード場に連れていってもいいのでしょうか、少し様子を見るべきなのでしょうか。

佐藤さん「五輪中継では完成度の高い技が披露されます。世界中の人々が見守る中、同年代、もしくは少し先輩に当たるくらいの年齢の選手が次々と難易度の高い滑りを見せてくれれば、憧れるのは自然なことです。一方で、その華やかな舞台からは、その選手が五輪にたどり着くまでの苦労や大変さは見えにくいものです。

そのとき目に飛び込んでくる華々しさだけに、子どもは魅了されていることも多く、五輪から時間がたつと、ほとぼりが冷めることも大いに考えられます。もし、教室に連れていくとしても、まずは体験コースのようなお試し版が適切と思われます」

Q.スケボーは公道での滑走が迷惑がられることもあります。子どもがスケボーをやりたいと言った際、どのように注意、指導すべきでしょうか。

佐藤さん「初心者ということで、お子さん自身がけがをする可能性、また、他者とぶつかる可能性は否めません。そこを十分考えた上で、まずは、自宅近くで安全に体験できる所(単発レッスンのある教室など)がないか調べて、安全を確保された中でスタートするのが望ましいといえます。

少なくとも、公道でいきなり始めるのは、本人にとっても周囲にとっても危険です。何かあってからでは遅いので、他のスポーツ以上に『もしものこと』を考えて決断するのがいいと思われます。いずれにしても、初心者だからこそ、プロテクターやヘルメットなどの安全装備をきちんと着けるべきです。

それらをすべて自前でそろえるよりは、まずは、どこか体験させてくれるところでレンタルし、実体験をしてみて、お子さんの反応を見るのが適切だと思われます」

Q.他のスポーツ、例えば、バスケットボールやスポーツクライミングなどを始めたいといった場合はどうでしょうか。

佐藤さん「習い事全般に言えることですが、子どもたちは見た目の格好良さに引かれることが多く、続ける上での大変さについては考えていないことがほとんどです。バスケットボールなどはスケートボードと比べれば危険は少ないと考えられますが、だからと言って、軽い気持ちで初めていいかというと決してそうではないと思います。

面白そうだからやる、面白くなくなってきたからやめるという繰り返しを生み出しかねないからです。もちろん、何ごとにおいても『やってみたら違った』ということは起こり得ますので、それを体感するためのプロセスとして、まずは見学したり、体験レッスンに参加したりして感触を得るのが望ましいと思います。

習い事はそのスキルを学ぶ場であるとともに、精神面での成長を育む場でもあります。どんなスポーツでも、本格的に始めるときは、お子さんとそのスポーツを継続する上での大変さについても話し合ってから、決断することをおすすめします」

Q.五輪などに刺激されて、何らかのスポーツを始めたものの、すぐに「もうやめたい」と言い始めた場合、親としてはどのように対応すべきでしょうか。

佐藤さん「先ほどの回答の続きになりますが、先々を考えずにスタートしてしまうと、少し練習がつらくなってくると『もうやめたい』となりがちです。絶対に続けるべきだとは言いませんが、『ちょっと嫌だからやめる』というのは『回避』することを学習してしまうため、癖になりやすく、注意が必要です。

習い事はさまざまありますが、その中でも特にスポーツは、華々しい結果の裏に人一倍の練習が必要であるなど、体力的にも精神的にもつらいと感じる瞬間があるものです。そこを乗り越える前にやめてしまう選択を毎回していると、その子はいつまでたっても、『いい汗』を知らぬままになってしまいます。

『嫌だと思ったら回避する』ことをいったん学んでしまうと、それがその子の対処術として身に付いてしまい、一つやってダメならまた別のことを…となりがちです。これまでの習い事歴の傾向を見て、もし、『習い事ホッパー(習い事をホッピング=転々とする人)』になっているようであれば、少し踏ん張るよう励まし、次回以降はしっかり熟考してから着手することをおすすめします」

オトナンサー編集部

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