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あまりにも美しい名優たちが織りなす、大人の愛物語。

  • 2021.8.25

美意識を育んでくれる一方、選ぶ段階からセンスが問われる映画・本・音楽。多方面で活躍する憧れの彼女たちが独自の観点で選んだ、主人公の生き方や洗練の描写など、至極の美を体現する作品を紹介。

スタイリストの北村道子さんが選ぶのは、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の『太陽はひとりぼっち』。この作品に北村さんが見いだす美しさとは?

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愛の不毛を炙り出すふたりが繰り広げる、美の競演に注目。

『太陽はひとりぼっち』

「1962年の作品です。ストーリー自体は、言ってしまえば90%極まりなく退屈に思えてしまうのですが、出演しているモニカ・ヴィッティとアラン・ドロンの、言葉にできぬあまりにも美しい存在感が超越しています。モノクロフィルムの光が映し出す、ふたりの黒髪とブロンドの揺れるコントラスト。“存在”自体が“美”そのものです」。大人の不毛な愛を継続的に描き続けたイタリア人監督、ミケランジェロ・アントニオーニが手がけた3部作の最終話。婚約者と別れたばかりで傷心の女性をモニカ・ヴィッティが、そして、彼女の魅力に惹きつけられていく美貌の青年証券マンを若かりし日のアラン・ドロンが演じている。

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『太陽はひとりぼっち』●監督・共同脚本/ミケランジェロ・アントニオーニ●1962年、イタリア・フランス映画●本編126分●DVD¥1,650、Blu-ray¥5,280●発売・販売:KADOKAWA

北村道子(スタイリストMICHIKO KITAMURA1980年代に松田優作から才能を見いだされ、日本映画の衣装を多く担う。著書に『衣裳術』(リトルモアブックス刊)

※『フィガロジャポン』2021年7月号より抜粋

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