1. トップ
  2. 恋愛
  3. 【女子のばんそうこう】コロナになって分かった「いざという時の男」【後篇】

【女子のばんそうこう】コロナになって分かった「いざという時の男」【後篇】

  • 2021.8.20

みなさんこんにちは。前回の「前篇」、読者の方や友人知人からも「分かる!」という頷き&共感の声を頂き、「ああいう夫さんは私の想像以上に多いんだな…(ため息)」ってなりました。

というわけで今回は後篇です。パートナーがぶっ倒れた時やピンチの時に一気にポンコツになる男性が多いことの理由を、私なりにつらつら考えてみました。

普段仕事などで自らバリバリ動く人が、ことパートナーや家族がバッタリいった時に限っては、いきなりポンコツになったりするよね?急に「日本語よく分からない…」くらいのレベルに陥るよね?原因としては、下記の2つが考えられると思う。

「世話焼きモード」がアップデートされてない。何ならインストール自体されてない。

根拠なき楽観性と、正常性バイアスの強さがある。

ひと昔前だと「人の世話をこまごま焼きたがるのは女性の特質」になるのかもだが、冗談じゃない。女性がもし得意に見えるのなら、それは単にこれまでさまざまな場で「ケア要員」の役割を振られてきたからだ。率先して茶を入れる、台所に立つ、手当てをする、料理を取り分ける…。問答無用かつ暗黙の了解で「女子がやるべし」を押し付けられてきたがゆえに、男性よりはずっと「お世話係」の経験値が高い、というだけだ。

【世話を焼く】の意味を調べてみると「すすんで人のめんどうをみる。 人のために尽力する。」とある。さらりと書いてるが、実際は相手の状態をこまめにチェックする。しんどさを理解する。色々先回りしてリスクを想像し、必要なケアを導き出す。これらを「すすんで」やるってことだ。指示待ち姿勢ではだめで、ちょっとおせっかいなくらいが(自力で色々できない程度の)病人にはちょうどいい。ただそのモード、慣れてない人には難しい。

日本の男性はそういう経験のないまま(免除されたまま)大人になり、所帯を持つ人も多いのだろうな…と思う。

それに加え、「自分の世界はそうそう壊れないし悪い方にはゆかないはず」と思うか「今あるものは不意に手からこぼれ落ちてなくなる可能性がある」と思うかの違いもある。誰かの世話を焼き慣れた人は人生において後者の可能性が意外に高いことをよく知っている。育児や介護の経験がある人などはまさにそうだ。危機感があるから、先回りするしあれこれ細かく想像し自ら動こうとする。

子供の頃、家のことをすべて担っていた母が寝込んだ時、私は正直「そんなのナシだよ」とほんのり不機嫌になった。「日々つつがなくまわっていた世界がいきなり停止する」ことに恐怖を感じていたんだと今なら分かる。ちなみに母が寝込んで最も機嫌が悪くなるのは父だったけどな…。

「今ある世界はこのまま平穏にいく(いってほしい)」「大抵のことはそう悪くならず何とかなる(そうでないと困る)」。パートナーの不調に不機嫌になったりポンコツになったりする人は、日常でどーしても「いまそこにある危機」を認識したくないのだ。世話焼きモードを搭載してない人ほど、意識的に「悪い方」から目をそらそうとするもんね。

根拠なき楽観というか、正常性バイアスみたいなものが強い人って「細々したことを考え先回りして心配する」をやると、負けだ!弱々しい!みたいに思ってる部分もありそうだ。「つらい」「助けて」「ヤバい状態です」という感情を表に出すのは男らしくない、という空気で育った男性も多いだろうし。そういえば我が国の首相は何にもしてくれないくせにやたら「自助」を持ち出すし、政府にしたって現状がどんなに悪くなろうと「まーつつがなく行ってますよそんなに悪くならないですよ」って姿勢が昔っからのお家芸だよね。

実際、夫自身がコロナ感染してひとり自宅で苦しんでいた時、近くに住む私の友人が「食べ物や飲み物、必要なら玄関先まで届けるから何でも言って!」と言ってくれたのだが、夫は「いらない」の一点張り。ほとんど食事をとらなかったようだ。「自分が具合悪い時はほっといて欲しい」というタイプなのは知っていたが、ここまでになると私には意味が分からない。「マジでヤバい」と思った時には間に合わないし、他人がそうなっても自分基準を当てはめてしまうし、アナタが頼らなきゃ誰もアナタには頼れないじゃん…と思う。

「ひとりで何とかする」姿勢は頼もしく勇ましいが、それができるのは若いうちだけだよ…と若くない私はしみじみ思う。年をとってくればお互いも身内も、今よりずーっと心身がままならなくなる。そして自分が世話すべき人間も増えてくる。そういう時に「己で黙って頑張れ!こっちも自力でなんとかする!」などと自助を人に説いてる場合ではない。うだうだ言ってないでしんどい人にはサッと手を差し伸べ、ケアをする。そのモードは練習して慣れておかないといざという時に全く出てこないんだから(私だってえらそうに書いてるけどまだまだ低レベルだと思うもん)。

特にこんな恐ろしい疫病が跋扈してるご時世で、自他共に「ためらいなく素早くケアする」モードと「ためらいなく助けを求める」クセを男女年齢問わず身につけとかないと、大事な人も自分もマジで詰むよ。強くなくていい、まずは優しくあろうぜ令和3年。

※今日はこの下にお便りあります!↓

今日のおたより

★こんどうあゆみ様、こんにちは。いつも楽しく拝見してます。

『コロナになってわかった、いざと言うときの男~前編~』読みました。まだまだ少ないコロナの体験談、載せていただいてありがとうございます。「分かる~!」の連呼です。

バツイチシングルマザーだった私は、昨年再婚し、今は主人と私の連れ子2人との4人暮らし。それが先日私だけコロナにかかりました。

普段夫は炊事はしないのですが、自宅内隔離の私に代わって三度三度の食事の支度をやってくれました。家事、思春期の子ども達との生活… ありがたさがいっぱいでした。

…が、そんな中思い出してしまったのは、かつて(1回目の結婚中に)40度発熱し死んでる私の元へ「俺の飯は?」とやってきた前夫のことでした。子ども達も前夫が構ってくれないので、私の所へ来てしまうし。あの時感じた殺意。「女の恋は上書き」とよく言われますがこんどう様の言われるように、夫にされた仕打ちは上書きされないようです笑

これからも、こんどう様のお話、楽しみにしています♪(たんまあ)

◎たんまあさんお便りありがとうございます!共感してくれてよかった…。コロナ大変でしたね。体調はもう大丈夫ですか?

お子さんがいらっしゃる方は自身の体調だけでなく「ケアして欲しいこと」がたくさんあると思いますが、夫さんはほんとに素晴らしいな!!そして元夫さんは「あかんテンプレ」過ぎて呆然としますね。日々のストレスも幸せも、そういう部分が少しずつ積み重なるものですよね。これからも4人で幸せな日々をお過ごし下さい♪(あゆみ)

★「コロナになって分かった「いざという時の男」【前篇】」を拝読し、即Twitterシェア、及び、実家の父と弟に転送しました 老人ともういい加減中年の独身には今さらかもしれませんが、万一母が寝込んだ場合が目に見えるようで…。(Kujira)

◎Kujiraさんいつもありがとうございます!そしてシェアとお身内男性への転送もありがとうございます!お母様の今後の幸せのためにも、今からだって遅くない(きっと)!草の根運動で少しずつ少しずつ、変えてゆきましょうお互いに…。(あゆみ)

元記事で読む
の記事をもっとみる