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羽田圭介と「住処」について考える。オンライン番組「スーパーフラットトーク」レポート

  • 2021.8.19
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小説家・羽田圭介さんをMCに迎え、今までの生き方を視座転換するオンラインディスカッション番組「スーパーフラットトーク」。「これからの住処を考える」をテーマに、そのサービスを展開する事業者や実践者をゲストに迎えて、意見を交わした。その様子をレポートする。

私たちが求める「これからの住処」とは

リモートワークやワーケーション。職場の常識も変わり、仕事をする場所の制約はなくなりつつある。そうなると考えるようになるのが、なぜ都市に住んでいるのかということだ。テレワークだけで働けるようになった人たちのなかには、理想の住空間や自然環境を求めて新しい暮らしを始める動きもある。生活スタイルの選択肢が広がっているなかで、自分にとってのベストな暮らし方を考える。

7月に発売した小説『Phantom』(文藝春秋刊)のロゴTシャツを着て登場したMCの羽田さん。よく引っ越しをするという彼は、3年ほど前に別荘を買おうか検討していた時期があったという。しかし、都心から通うとなるといずれ行かなくなることを懸念し、購入には至らなかった。

番組のオープニングではそんな自身の体験を語りながら、「今回のテーマは過去に自分で結論を出した話だったので、番組を通して自分の考え方が変わるのか楽しみです」と意気込みを語った。

今回、「住処」について議論をするにあたりゲストに招集したのは、セカンドホームサブスクリクションサービス「SANU」の代表、本間貴裕さんと東京と軽井沢との二拠点生活を送っている料理家の川上ミホさんの2名だ。住処に対して新しいサービスを提案する事業者と実際に二拠点を実践する人の2つの目線で意見を述べてもらう。

コロナ禍で暮らしの価値観に変化

最初に、住む場所についてどのような価値観を持っている人が多いかデータを見て理解を深める。内閣府の調査によると、コロナ禍において、テレワークを経験した20〜30代の若者の4人に1人が地方移住に関心を持っているという。さらに、テレワーク経験者は(経験)していない人より、2.5倍も地方移住に関心を持っていることが明らかになっている。このデータから、パンデミックをきっかけに住処に対して意識の変化が見られるが、実際に行動までには至っていない人が多いことがわかる。

確かに、暮らしの拠点を大きく変えることは、転勤や結婚など何かきっかけがないとなかなか難しい。そこで、都会の暮らしの延長で、東京から1時間半〜3時間程度で通える距離にセカンドホームを持つことができるサービス「SANU」を生み出したのが、本日のゲストである本間貴裕さんだ。

別荘を買ってしまうとそこへ通い続けないといけないが、サブスクリプションで拠点を借りることができる「SANU」では、季節や自分のやりたいことに応じて手軽にもうひとつの拠点を持つことができる。

本間さんが「SANU」で大事にしていることは、あくまで東京にいるのと同じ生活スタイルのまま自然のなかで 暮らすということ。「SANU」が提供するセカンドホームでは自分で料理したり、散歩したり、地域の人と関わったりする。これが、サービスの行き届いたリゾートホテルに泊まるのと違う点で、生活する過程で東京にはない自然の魅力を発見できるというのだ。

東京をメイン拠点にする理由とは

そんな「SANU」のサービスに対して、昨年軽井沢に家を購入したのが料理家の川上ミホさんだ。現在は東京と軽井沢で二拠点生活を行っているが、実はその前は東京・京都・軽井沢の3拠点生活を行なっていたという。その理由を「複数拠点で暮らすことは、都会にはないもうひとつの視点が得られる豊かな経験ができるから」と楽しそうに語ってくれた。

それに対して羽田さんは、「東京じゃない場所に拠点を構えるメリットは分かるけど、それなら移住でもいいのかなと思いまして。完全に移住じゃなく東京に拠点を残す理由が気になりますね」と鋭い質問を投げかける。これは東京に暮らす私たちにとって気になる話だ。

川上さん曰く、拠点を東京に残す1番の理由は仕事が大きいという。
「テレワークが発達しているのでやりとりやミーティングに支障はあまり出ないですが、やっぱり仕事をするなら東京が便利。東京にも軸を持っていることで、仕事のやり方に大きな変化を強いられないことがいいところですね」

このようにあくまでベースが東京であることは、本間さんも同意している。「SANU」があくまで“セカンドホーム”といっているように、地方での生活は第二の居場所だ。本間さんはその理由を「思い立った時に、身近に飲みにいける環境を持っておきたいから」と話す。

それに対して羽田さんも大きく共感。
「まさにそれが、いま、自分が東京にいる1番の理由かもしれないですね。小説は東京じゃなくてもどこでも書ける。それでもやっぱり東京にいる理由は、気軽に遊べる環境が目の前にあることなんだと思います」

羽田さんのいう通り、東京は仕事や遊びにおいて、情報量や出会いも多く刺激がある場所だ。
川上さんと本間さんの話を聞き、東京はアクティブに行動を起こす場所で地方は思考する場所と、それぞれ拠点を上手に使い分けているように思えた。

住む場所について考えることで、地方で暮らすことのメリットを考えるのが今回の番組のテーマのひとつであったが、思わぬところで東京の魅力を再発見することができた。

「東京はやっぱりたくさんの可能性を秘めている、ように感じられますよね。人間は自分が夢想した憧れの1割も叶えられないまま死んでいくが、いろんな夢想をする権利がある。向上心を持って行動したり、出会いに期待したりと、都市にいた方が、夢想しやすい。そういう点で考えると東京にいる方が夢を見やすいのかなと思いました」

羽田さんがそういうように、東京には地方以上に出会いや可能性が多いのも事実だ。一方で、多様な働き方が認められて、「SANU」のようなサービスも増えているいま、住みたい場所を選びやすい環境が整ってきている。その選択肢を知ったうえで、自分にとってベストな住処の選択をしたい。

詳しくは、ぜひ番組動画をご覧ください。

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