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「仰向けより横向きで寝たほうがいい!?」医師が教える、睡眠の新事実5つ

  • 2021.8.19

毎日を健康的で心地よく過ごすためには、毎日の生活が大切なのは分かっているけど、ライフステージの変化やコロナ禍の影響もあって不規則になりがち…。睡眠・栄養・運動の新常識とともに、今改めてウェルビーイングな生活の基礎を整えていきましょう。

【睡眠編】すべての美と健康はここから!

新常識も!睡眠にまつわる最新トピックス

睡眠は健康な生活の基盤であるにもかかわらず、昔からの噂や眉唾情報が多いのも事実。名医・梶本先生が医学的根拠に基づいた最新の研究から、睡眠の改善方法をご紹介します。

寝る体制は仰向けより〝横向き〟がいい
睡眠の質を悪くする最大の原因が「いびき」です。呼吸が浅く低酸素状態になるので自律神経が整うどころか睡眠中に運動しているような状態に。そこで仰向けから横向きに変えることでいびきが半減。舌の根や喉の筋肉の落下によって気道が狭くなることを防止でき、寝返りが打ちやすくなることで血液や体液も流れやすくなります。さらに右側を下にすると胃の消化を助け、心臓にかかる重力の負担も減り、自律神経をより整えることができていいことずくめ。

横向き姿勢が安定するように計算された枕。ラテックス高反発抱き枕¥6,800~、ラテックス高反発横向き枕Sサイズ¥9,800~(東京疲労・睡眠クリニック)

冷え性な人こそエアコンを使いましょう
睡眠で一番大切なことは自律神経を整えて疲労回復すること。しかし日本の夏は高温多湿なため一晩中寝汗をかき、自律神経が乱れがちになってしまうことも。室内の温度は26℃が睡眠にとって最適です。自律神経が乱れている冷え性さんこそ、室温を下げるべきで、基本「頭寒足熱」。体は温かく保ちつつ、鼻からは冷気を吸うことで自律神経中枢の機能を高く保つことができます。自律神経は脳の奥、鼻腔の上にあるため、冷え枕や冷却シートでは効果がありません。そして薄いタオルケットはエアコンのない時代の遺物!夏でも最適な室温で羽毛布団を使うのがよいでしょう。

「正しい寝だめ」の仕方は就寝時間で調整すること
よく眠るためには一日周期で変動する体内時計を整える必要があり、このリズムを整える唯一の方法が毎日同じ時間に起きることです。休日だけ寝坊しているのなら、自ら時差ボケ状態をつくっているので、週明け早々だるさを感じるはず。そこで寝だめをするなら前夜の寝る時間を早くして起きる時間は一定にすること。これなら時差ボケになりません。ただし平日と休日の睡眠時間の差は2時間が許容範囲です。

寝る前に汗をかくほど入浴するのはやめましょう
入浴によって深部体温を一度上げ、寝る直前に深部体温がほどよく下がることで良質な睡眠につながります。額から汗が流れたり、のぼせるような熱いお風呂はNG。自律神経の負担となるうえ体が覚醒モードになってしまいます。理想は冷たい空気で頭は冷えつつ体が温まる露天風呂の状態。お家では寝る1~2時間前に38~40℃のぬるめの湯に5~10分浸かること。お湯は心臓の高さまでが理想的です。

アロマには睡眠の質を高める効果アリ。タオルに数滴垂らして枕元に置くだけでもOK。エッセンシャルオイルおやすみブレンド10㎖¥1,490(無印良品)

22時~26時の「ゴールデンタイム」説は、もう古い!?
22時~26時の時間帯が美肌や健康を促進する「睡眠のゴールデンタイム」と呼ばれていたのは過去の話。成長ホルモンが多く分泌されるのは寝始めの睡眠段階で最も深いステージのノンレム睡眠中。ゴールデンタイムは寝始めの3時間が新常識で、特に時間が決まっているわけではなく毎日誰にでも訪れています。

教えてくれたのは…

医師・医学博士 梶本修身先生
東京疲労睡眠クリニック院長。大阪大学大学院医学研究科修了。大阪大学医学部助教授、大阪市立大学医学部COE生体情報解析学教授、疲労医学講座特任教授等を歴任。『すべての疲労は脳が原因Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』(集英社)は、シリーズ累計18万部を超えるベストセラー。TVにも多数出演。

撮影/花村克彦 取材/佐藤かな子 再構成/Bravoworks.Inc

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