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アラサー女子の「卵子凍結」メリット&デメリット8つ

  • 2021.8.14

「いつか子供が欲しいかも」と漠然と思っているけれど、「いつか」はまだわからない。そんな私にとって「卵子凍結保存」はひとつの選択肢なのかも?卵子の凍結保存の現状やメリット、経験者の話など、多角的に調べてみました。

卵子凍結で可能になること、懸念されること

卵子凍結が何のためのものかわかったら、現状考えられるプラス面とマイナス面の比較を。メリットとリスクを知ることは、自分の未来を守ることに繋がります。

卵子凍結のプラス面

1.加齢に伴う卵子の劣化を防ぐ
体外受精においても、34歳までなら出産率は20%、39歳になると10%に低下するというデータが。凍結中の卵子の時間は止まり、老化も進まないので、卵子凍結した年齢の妊娠率と流産率、染色体のエラー発症率を維持することができる。

2.キャリアを中断しなくて済む
社会性不妊の要因のひとつとなっているのが、キャリア育成期と女性の産みどきのかぶり問題。出産に適した年齢の卵子を保管しておくことで、ハイパフォーマンス期を避けて妊娠出産の計画を立てることが可能に。

3.パートナーを探す時間にゆとりができる
「子供が欲しいけど相手がいない」という状況でも、若い卵子を保存していれば卵子の劣化に焦ることなくパートナーを探せる。「早く産まなくちゃ」という呪縛を軽くすることで、「本当にこの人がいいのか」という、本来急ぐべきではない決断にじっくり向き合える。とは言え、男性の精子老化についてもきちんと考える必要が。

4.将来設計が立てやすくなる
産みどきを自分で選ぶということは、本来だったら選べなかった「自分にとってベストな時期」を決められるということ。自分やパートナーのキャリア設計、費用面など、自分のライフプランに適したタイミングでの出産が可能に。

卵子凍結のマイナス面

1.初期費用、保管料ともに高額
検査と診察、卵子誘発剤などの処方、採卵手術など、採卵までにかかる費用が約50万~80万円。加えて保管費用として、卵子1個につき年間約1万~2万円が必要に。妊娠までに数百万円以上かかる40代の不妊治療よりは負担は少ないが、まだまだ高額なのが現状。

2.将来の妊娠を保証するものではない
卵子凍結において理解しておかないといけないのが、採取した卵子で必ず妊娠できるわけではないということ。卵子の状態によっては受精ができなかったり、受精できても着床ができない場合も。また、妊活は男性パートナーの年齢、すなわち精子老化にも考慮が必要。

3.採卵前、採卵手術ともに体に負担がかかる
採卵のためには卵子の数を通常より増やす必要があり、その際に用いるホルモン剤によって妊娠初期のような症状が出ることが多い。また、ホルモン注射や採卵前の自己注射など、痛みを伴う処置も。採卵直前は卵子を複数抱えることで卵巣が膨れ、腹痛を起こすことも。

4.採卵までの道のりがハードスケジュール
一旦採卵手術をする日が決定するとそこからは怒涛のハードな毎日がスタート。診察に加えホルモン剤投与、自己注射など未経験の負担が心身ともに掛かる。直前の2週間くらいは身体に異変があったらすぐに病院に行ける状態にしておくのがベスト。

教えてくれたのは…

「プリンセスバンク」代表・香川則子さん
公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部文理融合型先端医科学研究所研究員、元順天堂大学産婦人科協力研究員。女性の人生づくりを複合的にサポートするプリンセスバンク株式会社を設立。著書に『私、いつまで産めますか?~卵子のプロと考えるウミドキと凍結保存~』(WAVE出版)が。

イラスト/今井久恵 デザイン/副島かおる 取材/高橋沙織 再構成/Bravoworks.Inc

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